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【読んだことない人へ捧ぐ】ライジングインパクト が面白い3つの理由

ライジングインパクト

 

 

 

あらすじ

福島の山奥で暮らすハーフの少年、ガウェイン・七海。野球のホームラン王を目指していたガウェインだが、ある日、プロゴルファーに出会い、野球よりも遥かに遠くまで球を飛ばすことのできるゴルフという競技の魅力にとりつかれる。ドライバーの類稀なる才能を持っていたガウェインは、プロゴルファーになるため上京し、ゴルフの名門、キャメロット学院に入学。そこで、生涯のライバル、パターの天才 ランスロット をはじめ、個性豊かな仲間やライバルたちと出会い、ゴルフの才能を開花させてゆくのであった―――。

 

 

作品解説

ゴルフをテーマにしたスポーツ漫画。週刊少年ジャンプにて1998年-2002年連載。全17巻。

この漫画を語る上で欠かせないのは、ジャンプに連載し短期打ち切りになったにもかかわらず、読者の強い要望を受け、連載再開したという異色の経歴だろう。ジャンプで打ち切りになった漫画は星の数ほどあるけれども、そこから連載が再開したのはこの漫画ただ一つである。

その後残念ながら再度打ち切りになってしまったため、「1度打ち切りになったけれども再開した漫画」「一作品で2度打ち切りになった漫画」という、長いジャンプの歴史の中でもこの漫画しかない特徴を2つも持つことになった。

 

空前の大ブームを巻き起こすほどの大ヒット作品だった!というわけではないこの漫画だけど、俺たちの世代の多くの人間はこの漫画のことを覚えている。その理由は、この漫画に登場する数々のインパクトの強い必殺技にある。

特に、主人公のライバル、パターの天才ランスロットが使う技『シャイニングロード』。グリーンの上のボールを打つべきラインが光って見え、グリーン上のどこからでもパターショットを100%成功させるという無体な必殺技は、当時の多くの読者の心に深く刻まれた。

俺たちの世代の人間がパターゴルフをやるとき、「俺にはシャイニングロードが見えている」って言いだすやつが一人は必ずいるのはこの漫画の影響である。

 

この「シャイニングロード」をはじめ、小学生がドライバーで400Y以上飛ばしたり(ドライバーの飛距離は世界のトッププロでも300Yほど)、特定の条件下でショットを100%成功させる技を持っていたり、それらのキャラクターが全員まだ小中学生だったりと、漫画ならではのありえないインフレとトンデモ設定が横行している漫画だが、その部分を漫画だと割り切ってしまえば、普通に熱くて楽しくてワクワクしたりドキドキしながら読める、良作な王道熱血少年スポーツ漫画である。

 

 

① "熱い" 真剣勝負、キャメロット

この漫画の最大の魅力はその "熱さ"。個性豊かなキャラクターが、勝利に対する想いやゴルフに対する想いをぶつけ合いながら真剣勝負をしてく姿は、読んでいてワクワクするしドキドキするし、ときに泣ける。

特に、作中中盤で迎える、全世界のトップの実力を持つ小中学生が一堂に会する世界大会であるキャメロットの読みごたえはすごい。

前半の2人一組のチーム戦では、ガウェインとランスロットの絆と、ガウェイン並みのドライバーの名手クエスターとのドラマがめちゃめちゃ面白いし、後半の個人戦では、主人公ガウェインとライバルのランスロット、そして世界最強のジュニアであるトリスタンの三つ巴の戦いが見ていてハラハラドキドキしっぱなし。

キャメロット杯があまりにも面白いため、キャメロット杯のラストシーンは何回読み返しても毎回ボロボロと泣く。ネタバレになるから詳しくは言えないが、あのラストシーンの熱さ美しさを共有できる人がいたら、一緒に酒を酌み交わしたいレベル。

 

特に個人的に好きなのが、チーム戦のクライマックスでランスロットが日本でのライバル黒峰のことを思い出すシーン。キャメロット杯の前に、ランスロットは日本校のパターの名手、黒峰と勝負して勝利し、その出場枠を奪う形でキャメロット杯に出場するのだが、キャメロット杯のクライマックスでランスロットはそのことを思い出し、彼女のためにも負けるわけにはいかないと自分を奮い立たせるのである。

黒峰は正直、この漫画でそこまで重要キャラクターというわけではない。普通ならクライマックスでライバルに回想されるのは、主人公のガウェインか、ランスロットの大切な家族である。ところがこのシーンではランスロットは、ガウェインや家族のことも想い出すんだけど、黒峰との戦いを一番大きく思い返してパターを打つんである。

ここの描写が、漫画的演出よりもアスリートのプライドに対する敬意を表することを優先するこの漫画の姿勢を示しているようで、たまらなく好き。

 

 

② ゴルフのイメージを大きく変えた "爽やかさ" と "読みやすさ"

今でこそ、石川遼宮里藍のおかげで、ゴルフのイメージは大きく変わっているけれども、当時はまだゴルフと言えばおっさんのスポーツだった。

そのイメージを、少なくとも当時読んでた人にとっては、大きく変えたのがこのライジングインパクトだ。

なんせ出てくるキャラクターは全員小中学生で、大部分が美少年や可愛い女の子なのだ。

 

加えて、鈴木央の漫画は、『七つの大罪』なんかもそうだけれども、躍動感や迫力が素晴らしいのに、キャラクターの絵柄が爽やかで親しみやすく、とにかく読みやすいという長所を持っている。率直に言って、当時ゴルフから受けていた「おっさん臭い」という印象とは真逆の絵柄の漫画だった。

 スタイリッシュな絵柄とキャラクターで、とにかく読みやすい。

 

ゴルフなのに、"爽やか" で "読みやすい"。これも、当時ライジングインパクトの大きな魅力だった。

 

 

③ 主人公ガウェインの、"明るく" て "ポジティブ" な キャラクター

この漫画は、少なくともキャメロット杯終了あたりまでは、全編通してとにかく明るくて前向きでポジティブな雰囲気が流れている。

それは、ハーフなのに福島の山奥のド田舎育ちの主人公、ガウェイン七海が底抜けに明るくて、いつでも前向きで、ポジティブで楽しいキャラクターだからだ。

 ひたすら明るくて前向きな、主人公ガウェイン。

 

そのガウェインのキャラクターに引っ張られて、クールなライバルや強面の先輩たちもどんどん丸くなっていく。結果、漫画全体がどんどん善人だらけになっていくから、読んでてほっこりするし、こっちまで前向きで楽しい気持ちになっていく。

 

そしてそれが、二度目の打ち切りの要因にも関係している。

上記のようにこの漫画は、主人公もその仲間も他校のライバルたちも、みんな善人で漫画全体に爽やかな空気感が流れているのが大きな魅力だった。

ところが、キャメロット杯終了直後から、なぜか陰湿で卑劣な敵キャラクターが次々と登場し、ストーリー的にも鬱展開が増えてきて、結果として漫画全体がネガティブでどんよりした雰囲気になってしまったのだ。

自分は当時からこの漫画が大好きだったけど、このあたりの変化は読んでて「あぁ、打ち切られても仕方ないかな」って気持ちだった。(今でもこの漫画を読み返すときはキャメロット杯終了まで読んだらそこで止めてしまう)

 

とはいえ、キャメロット杯終了まではホンットに明るくて楽しい漫画で、読んでて元気になる作品なのだ。落ち込んだときとかに読んで元気出すのにピッタリの漫画。仕事やプライベートがうまくいかなくて暗くなったときのヒーリングのために、本棚に揃えておきたい漫画だ。

 

 

まとめ

いかがだっただろうか。

とにかく熱くて泣ける漫画であり、

爽やかで親しみやすい絵柄で読みやすい漫画でもあり、

明るくて前向きで読んでて元気が出る漫画でもある。

 

熱くて楽しいゴルフ漫画、『ライジングインパクト』。

オススメです。

ぜひ一度、読んでみてはいかがでしょうか。

 

 

おまけ

作者の鈴木央は自分と同じ福島県須賀川市の出身で、作中には「須賀川 紅葉」という名前のキャラクターも登場する*1。自分が高校に在学中、鈴木央はウチの高校の合唱部の定期演奏会に協賛してくれていた(パンフレットに「ゴルフするなら 漫画読むなら ライジングインパクト」というキャッチコピーとガウェインの絵が描かれた広告が載っていた)。今思い返すと、こんな大物漫画家に協賛をもらいに行った同級生が素直に羨ましい。

 

 

*1:しかも彼の所属中学の名前は「南郡山中」。郡山市須賀川市の隣の市。