ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン
去年の10月25日に発売された、スーパーファミコンの名作RPG『ロマンシング サガ2』のフルリメイク作品、『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』(以下『ロマサガ2R』)。
このロマサガ2Rが、とにかく神ゲーすぎたので、今日はその魅力を存分に語っていきたいと思う。
プレイヤーの数だけ、全く異なる歴史が生み出されるゲーム
ロマサガ2Rの一番の魅力、それは何といっても、プレイヤーの数、もっと言えばプレイの数だけ、全く異なるストーリーが生み出されること。
ロマサガ2Rは主人公が一人じゃない。帝国の歴代の皇帝である主人公を何回も交代しながら、何百年、何千年という帝国の歴史を紡いでいくゲームだ。
歴代の皇帝は、300人近いキャラクターの中からプレイヤーが自分の意思で自由に選んでいく。
そして、世界中に散らばる、クリアまでにこなすべきイベントを、どの行程で、どういう順番でクリアしていくかも、完っっっ全にプレイヤーの自由なんである。
さらにこっからが凄いんだが、どのイベントをどの皇帝でどの順番、どのタイミングでクリアしたかで、その後の展開が全く違うものになっていくんである。
このゲームのイベントフラグは複雑かつ入り組んだ条件で作り込まれていて、同じようにプレイしているつもりでも、たった一つ、イベントの順番を入れ替えただけで、その後のストーリー展開が180度違うものになってしまったりする。
だから、自分と友人、同じようにプレイしているつもりでも、後半になるにつれて全く異なる歴史になっていくし、
もっと言うと、一人の人間が何周もプレイしていく中でも、一つとして同じ歴史を辿る周回は存在せず、毎回全く違ったストーリー展開を楽しめる。
そして、そうして作り上げた帝国の千年以上にも渡る貴方だけの歴史が、最後の最後、エンディングに歴史の年表となって貴方の目の前に打ち出されるんである。
ロマサガ2Rは正に「歴史を作るゲーム」だ。
それも「貴方だけの歴史を作るゲーム」なんです。
もっと言うと「たった一回きり、そのプレイでしか味わえない唯一無二の歴史を味わうゲーム」でもあります。
自分はもう5周プレイしているが、こんだけプレイしていても、毎回必ず新しい発見がある。
ネタバレ防止のために攻略チャートを一切見ずにプレイした1周目はもちろん、2周目以降、攻略サイトを見てある程度結果を予測した上でプレイしたつもりでも、毎回思わぬ新しいことが起こり、「そうか、この順番でプレイするとここでこんなことが起こるんだ」「ここでこの行動を取るとこんなところにこんな影響が出るんだ」と、常に新鮮な驚きがある。
だから何周しても飽きない。
次はどいつを皇帝にして、どんな順番でプレイして、どんな歴史を作ろうかという楽しみが、幾らプレイしても尽きない。
その結果、次は何が起こるんだろうというワクワクが、何回プレイしてもなくならない。
こんなにプレイヤーによって違う景色が見られるRPGを、
こんなに何周しても新しい景色が見られるRPGを、
自分は他に知らないです。
戦略を練り上げ、強敵に挑んでいく楽しさ
ロマサガシリーズはバトルの面白さに定評のあるゲームだ。
このロマサガ2Rも、その例に漏れず、バトルがめちゃくちゃ面白い。
いや、例に漏れずどころか、バトルが面白いロマサガシリーズの中でも、その面白さは頂点を極めていると言ってもいいかもしれない。
ロマサガシリーズは敵が強くて難易度が高いことで有名で、知ってる人は初心者門前払いなイメージがあるかもしれないが、安心してほしい。今回は、ロマサガ初心者や、RPGが苦手な人にもプレイしやすいように、めちゃくちゃ親切に作り込まれているし、難易度も、遊びやすい「カジュアル」や「ノーマル」といった難易度が用意されている。
ただ、このゲームの凄いのが、低難易度だからといって、漫然とプレイしていても楽にクリアできるかというと、決してそうではない点だ。
簡単なゲームは、ともすればレベリングをして雑魚やボスを処理するだけの作業ゲーになってしまいがちだ。
しかし、ロマサガ2Rは、低難易度だとしても考えなしに作業的に進めているとボスに苦戦するように調整されているし、レベリングをしただけでは簡単に倒せないように作られている。
ところが、そんな強いボスが、パーティーメンバー、技や術、アビリティを組み替え、戦略を練り上げて戦い方を工夫すると、嘘のように簡単に倒せてしまったりする。
倒せないボスがいたときに、レベリングという「作業」で突破するんではなく、「知恵と工夫」で突破するんである。
ロマサガ2Rは、ロマサガ初心者やRPGが苦手な人に、「考える楽しさ」を教えてくれるんである。
そして勿論、ヌルゲーなんていらん!めちゃくちゃ強い敵とヒリヒリした戦いがしたいぜ!という欲望を持つ玄人向けにも、きっちりと高いハードルが設けられている。
難易度「オリジナル」は十分に難しいし、1周目をクリアした後にプレイできる更なる高難易度「ベリーハード」「ロマンシング」では、サガシリーズ恒例の理不尽さと絶望と恐怖を思う存分味わうことができる。
この二つの難易度は「強くてニューゲーム」前提のモードなのだが、これの正体は「(敵が)強くてニューゲーム」だったりするのもまたロマサガらしさ全開。
特に難易度ロマンシングでは的確に戦術と戦略を練り上げていかなければ、裏ボスどころか普通にエンディングを見ることさえ難しい。
SFCではクイックタイムにあたるレベルの反則技『シャドウサーバント』を使わずに挑む場合は特に、エンディングを拝むのは至難の業。RPGの戦闘における、戦略を練り戦術を工夫する能力を、極限まで求められる。
腕に覚えのある者は、ぜひチャレンジしていただきたい。
バトルも探索もテンポがよく、その爽快感にやみつきになる
ロマサガ2Rはとにかくプレイ感が快適になるように作られている。
バトルのテンポがめちゃくちゃ良くて、ザコ戦もボス戦も戦いがサクサク進んでく。
技も術もグラフィックが派手でカッコいいのに、エフェクトの時間は短くてバトルのテンポを一切損なわない。
RPGの常として、上位の技や術ほどグラフィックが派手になる分、演出時間も長くなって、戦闘がダルくなってしまいがちだが、ロマサガ2Rはそんなことは一切ない。
上位の技・術だろうと全て一定の時間内に収められているのに、ちゃんと強い技・術ほど「派手」で「カッコよく」て「使いたく」なるように作られているのは、もはや職人芸の領域だ。
RPGゲームをプレイしている時間の大半を占める「戦闘」。
その「戦闘」がこれほど快適でテンポが良くて爽快でやみつきになって、何百回何千回戦闘しても飽きないというのが、このゲームの真に素晴らしいところ。
もう素晴らしいところというか恐ろしいところだよ、すげーよ、ロマサガ2R開発チーム。
そして「戦闘」と同様にRPGの大部分の時間を費やす「世界の探索」もめちゃくちゃ快適に作られている。
ファストトラベルがとにかく充実していて、世界のどこに行くにも一瞬でサクッと移動できるし、それでいて広い世界を冒険している感が損なわれない。
ゲームを通して何百回も訪れることになる、自国内の鍛冶屋や酒場といった施設には、さらに個別に一瞬で行けるファストトラベルが用意されていて、冒険の準備がダルいと感じないように最大限の配慮がなされている。
もっと言えば「快適」なだけじゃなくて「爽快」なんである。
雪原、砂漠、火山、東方、ジャングルといった多種多様なロケーションが広がる広い世界を一瞬であちこち移動し、イベントをどんどんとこなしていって、ストーリーをぐいぐい進めていくそのテンポのいい冒険がたまらなく爽快で、何回クリアしてももう一度やりたくなる。
イベントシーンも無駄に長くなく、それでいてキッチリと感動的で感情移入できるように作られている。
「あ〜、このイベント長くてだるいんだよな〜」と思うこともないし、イベントが始まったからといってコントローラーを置くこともない。
戦闘、探索、イベントの全てにおいて、神がかったゲームテンポの良さで、RPGとしてこれ以上ない「快適さ」と「爽快さ」を実現しているゲーム、それがこのロマサガ2Rなんである。
おわりに
とにかく自分はRPGゲームとしてこれ以上完成度の高いゲームを見たことがない。
原作の「ロマサガ2」は尖っていて、人を選ぶゲームだったが、この「ロマサガ2R」は一転して、RPG初心者から熟練者まで、万人に心の底からオススメできるゲームになっている。
年間何十本もRPGをプレイしている配信者やレビュワーが、揃って「今年最高のRPG」「生涯で3本の指に入るほど好きなゲーム」と絶賛しているのも納得である。
RPGが苦手な人も、ロマサガって難しいんでしょ?って思ってる人も、
RPG熟練者も、サガシリーズが好きな人も、
全ての人に自信を持ってオススメできる最高の神ゲーです。
貴方もこの機会に、ぜひ自分だけの歴史を紡いでみてください!