あさひなぐ
500巻以上、30作品以上読んだ中で、最も面白かった作品
今年に入ってから今日まで、計500巻以上、30作品以上を読んできたけど、その中でも最も面白かった作品を紹介。
『あさひなぐ』。
青年誌であるビッグコミックススピリッツに、2011年から2020年まで連載された、女子薙刀部の話です。
女子高生の部活動モノ。
全34巻。
もう最初っから最後までめちゃくちゃ面白くって、
全34巻を夢中で一気に全巻読んでしまったんだけど、
今日はその魅力をご紹介していきます。
キャラが(良い意味で)女らしくない
『あさひなぐ』の魅力を一言で言い表すと、
「こんなに萌えなくて燃える女子部活漫画は見たことない!」
まず、キャラが全員、良い意味で全く女らしくない。
女子部活動の漫画なので、顧問の先生や他校のライバルまで含めて、登場人物の9割以上が女性なんだけど、にも関わらず、登場人物の全員が、
色気がないか、
口が悪いか、
性格が悪いか、
のいずれか。
もしくは全部。
そして、それが読んでてめっちゃ痛快で面白い!
キャラクターたちの口の悪さや性格の悪さはコメディシーンやギャグシーンでめっちゃ笑えるし、
女を捨てて汗水や鼻水を垂らしながら必死で頑張る場面は素直に応援したくなるし、
黒い面や汚い面も含めて性根を曝け出してぶつかり合う姿は胸が熱くなる。
恋愛要素もほぼナシ。
主人公の旭は同級生の男の子とのロマンスがあるけど、それも本編を邪魔しない程度だし、他の5人…というか旭以外の全キャラクターが恋愛要素ほぼ皆無。
男性主人公の少年漫画だってもっと恋愛成分あるぞ。逆に凄い。
今どき「女らしくない」とか「女子なのに」とか言いたくないけど、それでもやっぱり登場人物の9割が女性の漫画で、ここまで「萌え」や「恋愛」がなく、汗臭くて、泥臭くて、燃えるように熱い漫画は、他に読んだことがない。
熱い漫画、泥臭く頑張る部活動漫画が読みたい人には、心の底からオススメできる漫画です。
試合の展開と描写がとにかく熱い
漫画全体のストーリーや試合以外の描写も面白いけど、
試合そのものがそれに輪をかけて熱くて面白い!
試合展開も、「これどうなるんだ!?」「どっちが勝つんだ!?」の連続だし、
その展開を描く絵や表現も、ド迫力で鳥肌全開。
しかも後半に行くほどに名勝負だらけになっていく。
20巻以降の試合は見逃せない試合しかない。
そして見開きでの決着シーンが迫力満点。
試合が決着する瞬間や大事な場面は見開き2ページを使った一枚絵で描かれることが多いんだけど、この見開き絵の迫力が凄い。
一進一退の試合展開を「これどうなるんだ!?主人公に勝ってほしいけど…あああどっちが勝つんだ!?」と揺さぶられながら読んでいって、パッとめくったら、見開きの迫力満点の一枚絵で決着が描かれるから、カタルシスがやばい。
脳汁がドバドバ出てくる。ドーパミン噴出漫画。
特に21巻の東島旭vs一堂寧々の試合は必見です。
名勝負すぎてヤバいです。本当にここまで読んできて良かったと思わされる。
ぜひ21巻までは辿り着いてください。
弱くて強い主人公「東島 旭(とうじま あさひ)」
主人公の東島旭もまた魅力的。
最初、めちゃくちゃ弱くて、ヒョロヒョロで背も低くて、運動神経皆無で、鈍臭くて、とんでもなくドジで、元美術部で、最初は縄跳び10回すら跳べない、そんな主人公。
だけど、必死で努力して、一歩一歩確実に強くなっていく。
部活動モノの漫画で主人公が最初弱いのって当たり前じゃんと思うかもしれないけど、あさひなぐって青年漫画で女子主人公の漫画だから、かなり現実的で、1,2巻を読めばわかるけど、旭が今後強くなる絵が全く見えないんだよね。
あぁ、この子は、10巻20巻経って、今より強くなっても、チームの中堅ぐらいのポジションで落ち着いて、全国優勝争いとかの役割は、先輩でエースの宮路真春が負っていくんだろうな、と、1,2巻読んだ時は思ってました。
だが・・・
強くんなるんですよ、旭が。
それも、とんでもなく強く。
そして、最初とんでもなく弱くて、これだけ現実的な漫画でありながら、旭が強くなることに無理がない。納得感がある。10巻20巻を経て、読者ですら気が付かないうちに、「あれ?旭、強くなってる?」と、気が付くと強くなってる。
でも、「や、強くなるよな、こんだけやってりゃ」と納得もする。
旭が強くなってから、さらに加速度的に面白くなる
例えばワールドトリガーの三雲修がもし強くなってしまったら、ワートリの魅力が半減してしまうように、旭がもし強くなっちゃったら面白くないんじゃないか?と、最初の10巻ぐらい読んでたときは思ってたんですよ。
だけど、この漫画、旭が強くなってから、更に面白くなるんです。
そこまでも十分面白いのに、そっから更に加速度的に面白くなる。更に化ける。
強くなったからこその欲や葛藤、迷いや悩み、熱さが出てきて、それがまた面白い。
最初から面白いけど、最後まで右肩上がりに面白くなり続けるのが、この漫画のすごいところ。
1巻から面白いのに、15巻ぐらいでギアが一段上がります。そして21巻で作中最高の名勝負が来て、そっから落ちることなく34巻まで名勝負だけが続いて、最後に最高の展開で終わります。
まずは最初の10巻から
34巻ってハードル高い巻数に思えるけど、マジで面白すぎてあっという間に読んじゃいます。気付いたら30巻ぐらいになってて「え?もう終わり!?」ってなります。
後半になるほど面白くて、ラスト1巻まで完璧に面白いけど、最初の数巻も十分面白いので、34巻は長いって思う人は、まずは最初の10巻ぐらいでいいから読んでみてください。
女子なのに泥臭いキャラたちが読んでて痛快、
全ての試合が展開も描写もめちゃくちゃ熱い、
弱くて強い主人公が魅力的な、
萌えなくて燃える高校生部活動漫画『あさひなぐ』。
超絶オススメです。ぜひ読んでみてください。