にわかじこみの一般人。

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3月のライオンが面白すぎる!

3月のライオン

 

 

言うのは野暮だけど「1番面白い」と言わざるを得ない!

『3月のライオン』を10年ぶりくらいに1巻から最新17巻まで全巻再読したけど、

めっちゃくちゃ面白い。

 

いや、知ってたけど、

ずっと大好きな漫画だって公言してるけど、

それでも面白すぎるだろうこの漫画!?

 

ある作品の良さを語るときに他の作品と比較するのはナンセンスだけど、自分用のブログだから好きなように書いちゃうと、この1年で1000冊近い漫画を読んだけど、その中でぶっちぎりで一番面白い。『あさひなぐ』よりも『重版出来』よりも面白い。

流石、自分内のランキングが20位以内の漫画は格が違うわ。面白さが飛び抜けすぎている。

 

面白さを言語化できない

他の漫画の面白さを表現するときには、その漫画の特徴や面白さの要因を端的に言語化できる。

『金色のガッシュ』だったら「100組の魔物と人間のパートナーが紡ぐ、100通りの絆と別れと感動のストーリー」とか、『あさひなぐ』だったら「こんなに萌えなくて燃える女子スポーツ漫画は見たことがない」とか。

 

でも、『3月のライオン』の面白さを言語化するときには、それができない。めちゃくちゃ面白いんだけど、その面白さがどこから起因するのか、自分の中で結構掴めなかったりする。

 

それは多分、『3月のライオン』が「特化型」の漫画じゃないからだ。

何かある一点が優れていて、それが面白さを生み出しているんじゃなく、優れている点、面白い点が10個か20個ぐらいあって、それが絶妙なバランスで積み上がっているから、神懸かり的に面白い、そんな漫画な気がする。

 

将棋を通した何通りもの人間ドラマ。

君に届けのような甘酸っぱい恋愛ストーリー。

美しい詩のようなモノローグ。

男のカッコ良さ。

女の子の可愛さ。

川本家の家族の温かさ。

食べ物の美味しそうさ。

動物(主に猫)の可愛さ。

コメディの面白さ。

 

これら全部が『3月のライオン』の主役であり、全部が柱。そして全部レベル高い。

『3月のライオン』ってどんな漫画?って言われて一言で言い表せないのは、それだけ色んな要素があって、それが全部レベルが高くて、しかも絶妙なバランスで複雑に絡み合っているからなんだと思う。

 

『3月のライオン』を読んでると、一編の長くて美しい詩を読んでいるような気分になる。

起承転結がジェットコースターのように急上下したり、次の展開どうなるんだ!?と手に汗握ったり、あっと驚く伏線回収があるわけじゃない。

けど、読んでる間中、ずっとずっと、穏やかで暖かくて美しい気持ちになれて、1エピソードを読むたびに思わず「面白ぇ…!」って声に出して呟いてしまう。

そんな漫画。

 

緩急の付け方がめちゃくちゃ上手い

そんなわけで『3月のライオン』は様々な要素が絶妙なバランスで組み上がっているが故の面白さが素晴らしい漫画なんだけど、

中でもシリアスとコメディのバランスというか緩急の付け方は抜群に上手い。

 

シリアスで辛気臭い展開になりそうなフラグが立ったので、覚悟をしていざページをめくると、いやシリアスはシリアスなんだけど、そのやりとりがめっちゃコメディタッチで描かれていて、思わず笑ってしまったり。でも、笑えながらもしっかり真理を突いていてめっちゃ心に刺さったり。

このシリアスと笑いの緩急の付け方、予想の裏切り方、思い切った描き方はホントすごいよ。こんなに揺さぶられたら面白いと思っちゃうもん。夢中になっちゃうよ。

 

特に対局中に描かれる、棋士たちの心象風景がめっちゃ面白い。それぞれが思う人生の真理みたいなものが、着飾らない言葉と、色んな例えで、コメディタッチで描かれるんだけど、ホントに毎回なんでこんな例え思いつくの!?って思う。

上手いし、面白いし、ハッとさせられる。

15巻のあづさのモノローグや、16巻の二階堂のモノローグみたいなやつね。

あれがめっちゃ大好きで、毎回楽しみです。

 

15巻がやっぱり最高に面白い。

全巻面白いし、巻数が進むにつれてどんどん面白くなっていくんだけど、

特に10巻ラストの桐山くんのプロポーズあたりから15巻の野火止あづさのエピソードあたりまでは更に一歩抜きん出て神懸かり的に面白い!

 

やっぱり15巻は最高の1冊ですわ。

最初の2話の君に届け的展開も、その後の野火止あづさのエピソードも、どっちも最高。

「あづさ1号」は、『3月のライオン』史上、一番ぐらいに好きなエピソード。

 

4年前に書いた、15巻についての記事、我ながらめちゃくちゃ良く書けてるやん。

15巻の良さも、『3月のライオン』全体の良さも、とてもよく伝わってくる。

漫画全体のことを書いたこっちの記事よりこの記事の方がずっと良く書けてるやん。

 

1冊1冊、大事に読むべし

『3月のライオン』を読むときは、決して急いだり読み飛ばしたりしちゃダメ。

1冊1冊、時間をかけてゆっくりと、大事に読まないと勿体ない。

漫画喫茶で時間に追われながらとか、レンタルコミックの返却期限に追われながらとかで慌てて一気読みとかしたら絶対ダメよ。

全巻購入して、落ち着ける自分の部屋でゆっくりと読みなさい。メルカリなら安く買えるから。

できれば1日1冊ずつ、一つ一つ一コマ一コマの絵や言葉を全部じっくりと味わいながら読みなさい。

 

あぁ、そんな風にしてゆっくりと漫画を味わうことができたのは久しぶりな気がする。

そうしたいと思える漫画に出会えた(いや、既に出会ってる漫画なんだけども)のも。

 

『3月のライオン』を読んでいる間の時間は本当に贅沢な時間だったし、最新巻の17巻が近づくにつれて、「あぁ、この贅沢な時間がもう終わってしまうのか」と悲しくなった。

でも、また1巻からもう一度読み直せば、またこの贅沢な時間が味わえるのかと考えると、めっちゃ幸せ。

 

35歳すぎて、昔のように漫画に夢中になれることはもうないのかも、あんなに漫画を面白いと思えることはもうないのかもと不安だったけど、大丈夫だったわ。ちゃんと面白い漫画は面白いし、夢中で読んでしまう。

 

全巻手元に購入したのは、この1年で一番いい買い物だったかも。

これをいつでも好きなときに読み返せると思うと、いつでも心を落ち着ける喫茶店への扉が自室にできたような気持ちになる。

美品にビニールカバーまでして安く売ってくださったメルカリ出品者の方に感謝です。

 

18巻が出るのは1年後か、2年後か…。

待ち遠しいけど、本棚に並んだ1巻から17巻を何度も読み返しながらお待ちしております。