にわかじこみの一般人。

漫画・アニメ・ゲームなどを中心に、おすすめのエンタメをわかりやすく紹介していきます。

2024年5~9月 漫画感想

 

左ききのエレン

いや、自分には無理、多分ハマらないこの漫画。

社会人の世知辛い部分描きすぎだもん。

読んでて辛い。自分が人生で逃げ続けたものが全部詰まってる感じがする。

これが好きな人がいるのは理解するけど、俺の好きな漫画ではない、少なくとも。

 

と、1巻読んだときは思ってました。

 

結論、全巻読んで良かった…!

最後の最後は希望に満ちた終わり方をするし、自分みたいに社会人の辛さや夢を追う苦しさから逃げてきた人でも、読んでて十分面白いし楽しめる。

 

1巻の最初の1ページ目から読んでてしんどくて、最初の1,2巻はずっと辛くて自分には合わないなと思ってたんだけど、3巻ぐらいで岸姉妹が登場したあたりから、漫画に「痛快さ」が加わって面白くなり、後半になるごとに明るくて希望に満ちた展開が多くなってきて、最後の2巻で最高に心が満たされました。

最後は登場人物全員が愛おしくなる。最終章、あかりの最高の瞬間を撮り逃したときはどうなるかと思ったけど、そっから光一も威風も好きになるとは思わなかった。

 

ただ、やっぱりこの漫画を真に楽しめる人は、仕事に真摯に向き合ってきた人なのは確かだろうな。

こんな自分でさえ面白かったんだから、光一や流川みたいにしっかり仕事に全力で向き合ってる人が読んだら、どんだけ面白いんだろうか。

仕事が好きな人、仕事に全力で取り組んでる自信がある人、それでいて、社会人ならではの理不尽や苦しさと日々戦っている人は、ぜひ読んでみてください。

 

青空エール

主人公2人がピュアすぎて、どうかこの子たちに不幸なことが起こりませんようにというハラハラが強すぎて、逆に集中して読めなかった。

純粋で一生懸命でキラキラしている主人公たちが眩しいのに、漫画全体にこれから重い展開が来るかのようなフラグめいた雰囲気が終始漂っていて、その不安さに我慢できずにバーッとページをめくって先を読んじゃうんだけど、読んでみると結局大して重い展開は来ずに平和に終わる。そんな漫画。

 

この先に重い展開があるかもと思ってしまうと辛くて読めないけど、かといって、大した展開はないと知った上で読むと、それはそれで19巻通して浮き沈みがなさすぎてつまらないんじゃないかと思う。

この漫画、多少のトラブルは起こるけど、意外とすぐ解決しちゃうし、大きな浮き沈みや展開はなくて、19巻ずっと同じテンション・ペースで進んでいくんだよね。まぁ、河原和音の漫画って、『先生!』の時から結構そういう感じだけど。

トラブルもカタルシスも明るさも暗さも、最初の3,4巻と同じくらいの濃度で19巻まで続いていきます。

 

とはいえ、ガチでやる強豪吹奏楽部のストイックさとか、純粋に夢を追う高校生のキラキラさとか、青春の楽しさや甘酸っぱさとかは、めちゃくちゃ美しく読み応え十分に描かれているので、変に先の展開がどうなるかとかを意識せず、純粋にその場その場の「今」だけに集中して読めば、めちゃくちゃ楽しめると思います。

 

ヒカルの碁

昔、漫画の趣味が合う友人が「スラムダンクと同じくらいに面白かった」と言っていたので、そんなに面白いならばいつか全部通して読んでみたいと思っていた漫画。

ジャンプで連載中にリアルタイムで読んではいたけど、第一話から最終話までは通して読んだことないし、きっとどこか抜けているのだろう、…と思って、全巻通して読んでみたけど、結果として読んだことがなかった箇所は一個もなかった。ちゃんと全編読破していたんだな自分。

 

で、20年ぶりくらいに全巻読んでみたけど、確かに面白かったけど、その友人が「スラムダンクと同じくらい」と評価していた理由は分からなかったな…。

17巻の第1部完までは一切無駄がなくて起承転結がまとまってて完成度が鬼高いし、最後まで読んでも囲碁のルールが全く分からないままなのにも関わらず面白いのはホント凄い。

ただ、全体的に話が淡々と進んでいくし、生涯の数本の指に入るほどのカタルシスや熱さがあるかというと…。自分にとってはそこまでじゃないなと思ってしまった。

 

あと、北斗杯編は完全に蛇足だった。17巻で終わっていたら、より名作だったのになー。

バクマン作中での『リバーシ』最終回描写によるジャンプ編集部への皮肉不満ぶちまけは、「『デスノート』はあそこで終わっていたら名作だったのに!」という大場つぐみの不満爆発だと思っていたけど、「『ヒカルの碁』も17巻で綺麗に終わらせたかったのに引き伸ばしやがって!」という小畑健の不満もブチ込んでいるのかもしれない。

 

君に届け

10巻までは穴が開くほど何度も読んだし、生涯でも20本の指に入るほどに大好きな漫画だけど、正直10巻で完結していてあとはエピローグだと思っていたし、21巻で読むのをやめてしまったので、今回初めて完結まで読んでみた。

 

11巻から30巻まであらためて読んでみて、結論、やっぱり11巻以降は長い長いエピローグでした。

17巻のファーストキスのシーンは唯一本編と同じくらい良かった(正直泣いた)けど、それでも18巻以降は、つまらないわけではないけど、あくまで本編のおまけでしかないな、という印象だった。

ずっと美しくて眩しい漫画だし、ラブラブな2人も他のキャラクターたちも読んでて楽しいけど、10巻までの生涯最高クラスの漫画体験と比較すると、まぁわざわざ読まなくても良かったかな、とどうしても思ってしまった。

 

ただ、10巻までの完成度を台無しにするような展開とかはないので、11巻以降もほっこりした雰囲気をずっと味わっていたい、という人は、最後まで読んでも楽しめるんじゃないでしょうか。

 

ちなみにその後の番外編である『運命の人』も全部読みました。

まさか赤星くんが再登場するとは思わなかった…。めちゃくちゃびっくりした…。

久しぶりに会った赤星くんもめちゃくちゃ格好良かったです。

 

太陽よりも眩しい星

前回読んだときはボロクソに言ってしまったけど、改めて全巻読み直したら、めちゃめちゃいい漫画でした。

これ、序盤をアプリで1話ずつチマチマ読んだら絶対にダメだ。アプリで読んだときは神城の煮え切らない態度に終始イライラしてしまったけど、単行本で一気読みしたら秒速でくっついてたので安心できた。それでも結局朔英から告白してんだけどね。まぁ許容範囲内。

 

『先生!』『高校デビュー』『俺物語!!』『青空エール』とずっと変わらない、安心安定の河原和音。

  1. 比較的序盤でくっつく
  2. 主人公カップルの何があっても揺らがない安心感
  3. いい人しか出てこない
  4. サブキャラたちがみんないい味出してる
  5. 大きなトラブルがなく平和な展開が続くのに、読んでて面白い
  6. ひたすらにキュンキュンする

特に6.は今までの河原和音の漫画で一番かも。

ヒロインの朔英がむちゃくちゃに可愛い。ピュアな恋愛の初々しさと青春のキラキラ感を描く力が、今までよりも更に上がっていやがる。ここにきてまだ進化するか河原和音…!

サブキャラも小野寺、香川、鮎川、井沢と良キャラ揃い。全員、序盤では印象悪かったり印象なかったりするのに、最新巻まで読み終えると全員めっちゃ好きになってるのがすごい。

8巻末の次回予告では、ライバル登場か!?みたいな煽りだったけど、どうせライバルが出てきても朔英と神城は揺らがないんでしょう。そしてそのライバルたちもどうせいい奴なんでしょう。でも、それでいいんですよ、それがいいんですよ、河原和音の漫画は。

 

ラブホの上野さん

元々好きだった漫画が漫喫にあったので、せっかくだからと全巻通して読んでみたけど、コレ全巻一気に読む漫画じゃないね。

1話無料とかのサービスで1日1話ずつじっくり読みたいなー。どこかにその形式で掲載されていないだろうか?

 

あと、自分も含めた周りにすらこういった恋愛やロマンスがない年齢になると、こういう恋愛テクニック系の漫画の面白さが半減してしまうのだろうか。出会った当初に読んだときより響かなかった。

5年前、この漫画に出会ったときに、そのまま1日1話ずつのペースで全部読みたかったなー。

 

ちはやふる

数年前に十数巻だけ読んでいたのを、今回完結まで読破。

人気・有名・長寿漫画だけあって、やはり面白かった。

それに、50巻も続いているにも関わらず、あまり中弛みせずに、3年生最後の名人・クイーン戦で主人公2人が優勝して終わるというめちゃくちゃ綺麗な終わり方なのも良かった。

 

この漫画の魅力は、なんといっても真島太一と若宮詩暢という二人のキャラクター!

この漫画の主役は、綾瀬千早・綿谷新・真島太一の3人の主人公と、周防久志・若宮詩暢の2人のラスボスの、計5人なんだが、その5人の中でも、特に真島太一と若宮詩暢の2人が、この漫画の面白さを生み出している、と俺は思っている。

 

容姿端麗、スポーツ万能、成績優秀と、他の全てのものを持っているのに、かるたの才能だけは持たない凡人である真島太一。

かるた以外の全てのことが何もできないけど、かるただけは天性の運と才能と情熱を与えられた天才である若宮詩暢。

この完全に真逆の性質を持つ2人のキャラクターが、50巻の本編中最初から最後までずっと、誰よりも悩み、迷い、もがき苦しみ、成長する姿が描き続けられているという事実が、もう、すごい、なんとも言えない気持ちになる。

 

真島の最後の戦いと詩暢の最終決戦での成長は、マジでこここそが『ちはやふる』という長い長い物語のクライマックスだと思ったし、ここまで読んできて心から良かったなぁと思った。

 

ただ、客観的にシビアに評価すると、同種の漫画ではこの作品よりも『あさひなぐ』や『この音とまれ』に軍配が上がるなぁと思ってしまった。

その要因はきっと、主人公5人中4人が「天才」だからなんだろうなぁ。

詩暢はまだ才能以外の部分でのたうち回る姿が描かれているから感情移入できるけど、千早・新・周防の3人は、色々悩んでもやっぱりスッと行っちゃう天才だから、今一乗り切れない部分はあった。

やっぱり自分は太一みたいに、何も持たない凡人が努力している姿が好きなんだなぁ。

 

 

おとななじみ

大好きな中原アヤの作品が、GEOで1冊50円で叩き売りされていたので、全巻買って読んでみた。

結論、言葉を選ばずに言ってしまうと、まごうことなきクソ漫画であった。

 

いや、相変わらず中原アヤらしく漫才節の会話劇は面白いし、キャラクターも生き生きしてて魅力的だったのよ。

でもその全てを台無しにするレベルで、男の方の主人公がクソすぎる。

あまりにもクズでバカすぎる。

恋愛面以外では全く悪い奴ではないし、結構カッコいい行動も取ってるのに、恋愛面がここまで鈍いを通り越してバカすぎると、嫌悪感しか持てない。最初から最後までイライラしかしない。救いようがなさすぎる。

よくこんな話を8巻も引っ張ったもんだ。そしてよく8巻も続いたな。

 

あまりにもボロクソ言ってしまったので擁護すると、俺はこの漫画の作風は好きだ。絵も好きだ。会話も好きだ。ギャグも好きだ。そして主人公の男の方以外のキャラクターも全員好きだ。

でもコイツ(主人公の男)だけはダメ。心底嫌い。今年1000冊読んだ漫画の全てのキャラクターの中で一番嫌い。

コイツの存在ただ1点のみでこの漫画には0点を付けざるを得ない。

 

なんだかんだ言って少女漫画は、彼氏役はカッコよくないとダメなんだなと、痛烈に思い知った一作でした。

 

 

エンバンメイズ

ダーツをテーマにした頭脳戦漫画。

登場人物たちは目を瞑っても180点取れるのが当たり前の腕前なので、スポーツ競技としてのダーツ漫画ではなく、あくまでダーツを利用したライアーゲームのようなオリジナルのマネーゲーム・デスゲームをどう攻略するかという頭脳戦が主。

 

面白かった!たった6巻で終わっているのが凄く勿体無いと思えるぐらい。

ゲームのルールはやや複雑で理解に頭を使うものもあるけど、その割に主人公が打つ逆転の一手は非常にわかりやすく、最後の逆転劇が毎回痛快。

主人公が絶対に負けないんだろうなっていう信頼感もいい。余計なこと考えずに、「こんなに絶望的な状況だけどここからどうやって逆転するんや?」って点だけに集中できる。

「そこが"行き止まり"(デッドエンド)だ」の見開き決着シーンは何度も読みたくなるほど毎回毎回気持ちいい。

 

まー、でも、ダーツって縛りがある以上、6巻ぐらいが限界なのかもなー。

それに6巻で綺麗に終わっているからこそ名作になってる気もする。

我々は40巻とか50巻とか続いてる漫画に慣れすぎているのかもしれない。

漫画って、本来このぐらいの長さであるべきものなのかもしれない。

 

作者は今のギャンブル漫画描いてて、そっちは結構続いているっぽいから、そっちも読んでみようかな。