ダメな私に恋してください
今日は大好きな漫画をご紹介。
4年前に深キョン主演でドラマ化されたので、知ってる人も多いかも。
ドラマの出来はどうだか知らないけど、原作漫画はめちゃくちゃ面白い。
作品解説
概要
2013年〜2016年連載。全10巻。
作者は『ラブ★コン』で有名な 中原 アヤ 。
あらすじ
年齢=彼氏いない歴 の アラサー女子 柴田 ミチコ は、会社が倒産して無職になったにも関わらず、年下のイケメン大学生に貢いで一文無し、キャベツ生活を送っていた。
そんな中、偶然 前職で大っ嫌いだった上司 黒沢 歩 と再会。空腹で行き倒れそうになってたミチコに飯を奢ってくれた黒沢は、前職でキツくあたってしまったお詫びとして、脱サラして始める喫茶店でミチコを雇ってくれるという。
願ってもない申し出に飛び付くミチコだったが、果たして大っ嫌いだった黒沢と上手くやっていけるのか?そして、金ナシ、彼氏ナシ、色気ナシのダメダメな人生を変えることができるのだろうか…?
試し読み
第1話が集英社のサイトやシーモアで無料立ち読みできるので、興味があったらこんな長文読んでないで今すぐ1話を読んでください。
何話か読まないと面白さがわからないタイプの漫画じゃなくて、第1話を読めばわかるタイプの漫画なので。
第1話を読んで面白かったら続きを買おう!合わなかったらそれまで!
漫才のような会話劇がめちゃくちゃ面白い!
この漫画の最大の魅力は、とにかく 漫才のようにテンポが良くて笑える会話劇!
特に主人公2人である柴田ミチコと黒沢主任の会話劇は最初から最後までめちゃくちゃ面白い!
クライマックス的な部分だけじゃなく、小さなコマに何気なく書かれたセリフのやりとりまで、ウィットと皮肉に富んだ言葉の投げ合いがポンポンポンポンと軽快に繰り広げられていて、読んでて何度も爆笑してしまう。
作者の中原アヤは元々関西出身で、大ヒットした出世作の『ラブ★コン』もめちゃくちゃ面白かったんだけど、『ラブ★コン』の何が目新しかったかって、モノローグも含めて全編コテコテの 関西弁 で通されていたこと。
登場人物の一部が関西弁を使うことはあっても、声に出す台詞以外のモノローグまで含めて作中の全ての言語を関西弁で統一した少女漫画なんて、当時他になかったんじゃないかな?
あれは衝撃だった。
今回の作品も、関西弁こそ使われていないものの、会話に込められている関西ノリというか漫才魂というものは完全に健在で、さすがは関西人と唸らせられる面白くてテンポの良い会話劇がバッチリ繰り広げられている。
久しぶりに炸裂した 中原 アヤ 節 に存分に笑わせていただきました!
主人公の 柴田 ミチコ が魅力的
主人公の柴田ミチコもまたいい味出してるんだよね。
しかも「成長するタイプの主人公」なのが良い。
最初は無職のクセに顔がいいだけのチャラい大学生に貢いだり、挙句に百万円借金してマジでヤバい目にあったりと、まさに『ダメな私』って感じなんだけど、そっからきちんと転職して、人間的にも成長して、どんどん可愛く魅力的になっていくんだよね。
最初の1巻読むと「マジこいつダメ人間だな 笑」って思うんだけど、最終巻のミチコとかめちゃくちゃ可愛いからね。めっちゃいい女だからね。
黒沢主任にとってもそれは同じで、最初は自分がミチコを助けるばっかりだったのに、いつの間にか自分が助けられているっていう、その関係性がまたいい。
好きなシーン
1巻のサラ金に借金する展開も爆笑したけど、自分が一番笑ったシーンは、
8巻のミチコと黒沢父の会食シーン!
もうあれは予想の斜め上すぎて大爆笑でしたwww
あんなん笑うわwwwww
このシーンに象徴されるけど、基本的にこの漫画は善人しか出てこないところがいいよね。ちょっとシリアスな展開になったとしても、またすぐ明るい話に戻るし。
軽い気持ちで何度もサクッと読めるところも、この漫画の良さの一つかな。
少女漫画家が描く、アラサー主人公の漫画
もう一つ目新しかったのが、『別冊マーガレット』っていう少女向け雑誌で『ラブ★コン』っていう高校生が主人公の少女漫画を描いていた漫画家が、アラサーが主人公の漫画を描いた っていう点。
アラサーが主人公の恋愛漫画なんて山ほどあるけど、それを少女漫画専門家が描き始めたってのは当時かなり新しかったんじゃないかな。
社会人ならではの世知辛さと、少女漫画じこみのピュアな雰囲気が合わさって、この漫画特有の魅力をうまく作り出してる。
鳴かず飛ばずだった中原アヤの復活作でもある
ちなみに作者の中原アヤさん、『ラブ★コン』であれだけのヒットを飛ばしたにも関わらず、その後は鳴かず飛ばずだったっぽいんだよね。
自分が知らないだけで何かヒットしてたのかもと思ってWikipediaを開いてみたけど、やっぱり『ラブコン』から『ダメ恋』の間はどれも短期打ち切りになっている様子。
いくつか読んだことあるんだけど、会話劇の面白さは健在だったけど、どうも設定に凝りすぎてて失敗していたんじゃないかな。
だから、主人公がアラサーって点は少女漫画としては目新しいけど、それ以外は現実的で王道な設定にしたこの漫画が、久々にヒットしたんだと思う。
会話劇が面白いし、キャラクターも魅力的に描けるから、設定を奇抜にしなくても面白い漫画が描けるんだよね、この人は。
ドラマ化に物申す!
で、この漫画、2016年にまさかのドラマ化したワケなんだけど、
ミチコが深キョンはねーよ!
自分は深キョン好きなんだけど、だからこそ、このキャストはありえないと思います。
ミチコの特徴って、「年齢=彼氏いない歴」「色気ナシ」「庶民的」なんですよ。
全てにおいて深キョンと真逆。
なんで庶民の象徴みたいなミチコに天上人をキャスティングしてんだよ。色気って意味でも「山おんな」を演じていた深田恭子さんはミチコと対極にいるじゃありませんか。
あまりのミスキャストぶりにドラマは全く見てないんだけど、実際見てみたら案外ハマってたりするんでしょうか?漫画とドラマ両方見た人いたらぜひ聞いてみたい。
あんまり女優さんに明るくはないんですが、自分がキャスティングするとしたら、元AKBの 大島 優子 さん とかですかね。こういうときこそ「クラスで2,3番目に可愛い子を集めた」と言われるAKBの力を使うべきなんじゃないですか?「親しみやすさ」とか「愛嬌」っていう点では、なかなかいいんじゃないかと思うのですが。
まとめ
・テンポが良くて爆笑できる会話劇
・魅力的な主人公
・善人だらけの明るく楽しい漫画
こういったのを求めてる人は、読んで損はない漫画です。
繰り返しになるけど、第1話が無料で読めるので、興味があればぜひ読んでみてください。
ちなみに全10巻であまりにも綺麗で満足感の高い終わり方をしたので、
それが崩れるのが嫌で続編のRは読んでいません。
でも今調べたらもう6巻で完結してるし、サクッと読んでみようかな。
あと、今回この記事を書くためにWikipediaを開いたら、現在は『おとななじみ』って新しい漫画を連載中の様子。
こちらも第1話が試し読みできるので読んでみた。
『ダメ恋』ほど第1話からめちゃくちゃ面白いって感じじゃないけど、中原節は健在のご様子。こっちも読んでみないとな。
久々に、"中原アヤ節"にどっぷり浸かりたいな!