ONE OUTS
-ワンナウツ-
頭脳戦漫画が読みたい!
メチャクチャに賢い主人公が、作戦と心理操作と知恵と読み合いで、バッタバッタと敵を倒していくところを見たい!
そんな気分になるとき、ありません?
今日は、そんなアナタに超絶オススメの漫画を紹介します。
野球なのにスポーツ漫画じゃなくて頭脳戦漫画!?
今日紹介するのは『ONE OUTS(ワンナウツ)』。
野球の漫画です。
「なんだよ、野球の漫画かよ。俺スポーツ漫画読まないんだよね。野球興味ないし」と思った貴方。
これ、野球が題材の漫画だけど、スポーツ漫画じゃありません。スポーツ漫画の皮をかぶった頭脳戦漫画 です。
この漫画を一言で説明するのに最も適した表現は、作者自身も公言している
「野球版アカギ」
です。
『アカギ』知ってる人にならこれでもう100%伝わってます。なので、あとは興味があったら読んでみてください。以上。
まぁ、アカギ読んだことない人もいると思うんで、もう少し詳しく説明すると、
頭がメチャクチャ良い主人公が弱小プロ野球チームの助っ人ピッチャーになり、その頭脳を活かした作戦と知恵と策略と心理操作と読み合いと駆け引きで、敵チームをバッタバッタと倒していく!
というお話です。
普通に野球やるし、漫画の8割は試合描写だし、構成は100%スポーツ漫画なんですが、読後感は完全にスポーツ漫画じゃなく頭脳戦漫画を読み終わったときのソレです。
気持ちの勝負、絆の勝負、身体的な才能や努力がぶつかり合う瞬間、そういうのがスポーツ漫画の醍醐味だと思うんですが、この漫画にはそういうのはほぼないです。ちょっとはあるけど、メインではないです。
その代わり、あるのは、頭脳と作戦と読み合いと駆け引きのみ。気持ちや絆ですら、この漫画の中では駒の一つに過ぎません。
『ジョジョ』『ハンターハンター』『ワールドトリガー』『デスノート』『ライアーゲーム』『嘘喰い』『カイジ』『アカギ』『クロサギ』『ブラッディ・マンデイ』
これらが好きな人は間違いなく、まず読んで損はない漫画です。
読後感はこれらの漫画に非常に近い!
というか、逆に言うと『ONE OUTS』好きな人は上記の漫画全部読んだ方がいいよね。とりあえず。
不敵でクールでニヒルな主人公『渡久地 東亜』がとにかく魅力的!
この漫画はとにかく主人公が魅力的です。
あらすじを言うと、沖縄で賭野球に興じていた天才ピッチャー 渡久地 東亜 が、ひょんなことからプロ野球の弱小球団 リカオンズ にスカウトされます。
リカオンズの選手たちは勝つために渡久地を受け入れますが、金儲けしか考えていない球団のオーナー 彩川 は、球団の勝敗にはまるで興味がなく、渡久地をすぐに追い払うために、通常の年棒契約ではなく、アウト1つで500万円、逆に1失点につき-5000万円という異例の ワンナウツ契約 を結びます。
ところがシーズンが始まってみると、彩川の予想に反し、全く失点せずにアウトの山をこれでもかと築き上げていく渡久地。焦った守銭奴の彩川は、これ以上アウトを取らせないようにと、あの手この手で渡久地に妨害工作を仕掛けてきます。
この漫画、相手チームとの戦いももちろん魅力的なのですが、一番の見所はこの オーナー彩川と渡久地の頭脳戦 なんですよ。
彩川はこれ以上金を毟り取られないよう、試合の裏であの手この手で妨害工作を仕掛けてきます。自分の所有する球団を負かすために奔走する彩川。プロ野球の漫画なのに最大の敵が敵チームじゃなくて自軍のオーナーってのがまたこの漫画の面白いところですね。
そんな汚い裏工作をことごとく読み切り、アッと驚く頭脳と作戦で勝利を重ねていく渡久地のプレーがもうとにかく痛快!
読んでてスカッとしまくること間違いなしです。
もちろん、敵はオーナーだけじゃありません。
相手チームもまた一癖も二癖もある奴らばかりです。
中には自軍の所有する球場を丸ごとイカサマの仕掛けだらけに改造しているチームもあるぐらいです。
こんな風にオーナーも敵チームもありとあらゆる汚い手段を使ってくる世界観なんですが、それに対して渡久地は常に「は?何が悪いの?勝つためには当たり前じゃん」というスタンスです。
ただただ、それ以上の策略を以って潰すだけ。
この辺もカッコいいんですよね。勝利のためなら手段を選ばないのを是としながら、自分は相手の汚い手段以上の策略を用いて叩き潰すっていう。平等に物事を判断しつつ、常にクレバーで冷静で論理的で、ときには気持ちや絆や綺麗事すら手段として利用する。
『アイシールド21』のヒル魔と似てますね。
あと、情熱的な正義のヒーローではなく、どちらかと言うと 悪の主人公 である点は『るろうに剣心』の斎藤一と似ています。
『アイシールド21』のヒル魔と、『るろうに剣心』の斎藤一を、足して7:3で割った感じ。そんなよーなキャラです。渡久地東亜は。だからこの2人が好きな人は絶対気に入るはず。
wikiで引いたら渡久地について、「悪魔的な洞察力」に「心理操作術」、「動揺やプレッシャーとは無縁で窮地を楽しむ精神力」、「従来の野球の常識を覆す発想力」、「山場を敏感に察知する勝負勘」、「情報やルールを綿密に調べておく周到さ」などをもって、ありとあらゆる「駆け引き」をうつ。また「読唇術の心得」もある。って書かれてましたけど、マジでこの通りですからね。この「」の中のモン全部持ってますから。
天才すぎるしカッコよすぎる。
逆に言うと、この漫画は主人公の一強体制です。
主人公が常に無敵常勝で、頭脳戦で主人公に匹敵するライバルは出てきません。
同作者の後続の作品『ライアーゲーム』はヨコヤという主人公に匹敵する強力なライバルが出てきましたが、『ワンナウツ』にはそれがない。
だから、めちゃくちゃに強い主人公がただただ無双するだけのスカッとする漫画が好きな人には超絶オススメですが、同レベルのライバルと勝ったり負けたりの一進一退の攻防を繰り広げるのを期待する人には、やや物足りなく感じるかもしれません。
真のチームワークとは何かを教えてくれる漫画
最後に『ワンナウツ』の好きなエピソードを一つ。
終盤に「Lチケット」というシステムについてのエピソードが出てくるんですが、これが 真のチームワークとは何か ということを教えてくれるエピソードで、個人的にとても好きです。
表面的な仲良しこよしではない、本当に勝つための真のチームワークとは何か。それを、言葉ではなく実体験と結果と現実で教えてくれる エピソードです。
実際にどんな話なのはぜひ読んでほしいんですが、これは攻殻機動隊の有名な台詞
「我々の間にはチームプレーなどという都合のよい言い訳は存在せん。あるとすればスタンドプレーから生じるチームワークだけだ」
という言葉をそのまま体現したエピソードになっています。
なので、この言葉が好きな人、この言葉にハッとさせられた人は、読んだらめちゃめちゃ共感できるはずです。
まとめ
『ONE OUTS』とは
・頭脳戦漫画
・悪の主人公がめちゃくちゃカッコいい
・読んでて痛快でスカッとする
・真のチームワークとは何かの勉強にもなる
そんな漫画です。
興味のある人は、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか?