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【漫画】ハイキュー!!【感想】

ハイキュー!!

 

 

 

全ページ名場面の神漫画

完結以来、改めて全巻通読したけど、やっぱり何回読んでも神漫画。

全試合、全場面、全ページがクライマックスだし、全編見どころしかない。

欠点があるとすれば、全試合の全プレーが名場面すぎて、逆に好きな名場面を挙げられない(多すぎて覚えてられない)ことぐらい、って勢いで名シーンだらけ。

 

連載当時に好きだった場面は、研磨の「たーのしー」、ツッキーが星海のブロックアウトを避けるシーン、最後の試合で日向が牛若のスパイクを上げるシーンだったけど、

改めて読み返して印象に残っているのは、ツッキーが牛若を止めるシーン、北さんのお米、鴎台戦のラスト、あたりかも。

 

全部好きなんだけどね、ホント名場面挙げたらキリがない漫画よ。

 

 

絵の迫力、擬音の使い方が凄すぎる!

『ハイキュー!!』の魅力は数え切れないけど、とにかくまずはやっぱり絵の迫力が凄いこと!

絵自体が上手いのもそうだけど、画面の見せ方というか、ページの使い方が上手すぎる。

画面から飛び出して読み手の方に向かってくるボール、コマからはみ出す選手の四肢、要所要所で光る効果的なネットの使い方。

 

そして何より擬音の使い方が素晴らしすぎる。

何度も登場する「ド」でのコマ割りは勿論のこと、「キュ」を矢印にしたり、「するり」を動線にしたり。

一体何食ったらこんな演出思いつくんだ!?

もはや芸術の領域です。

 

 

VS小さな巨人

何度読んでも、鴎台戦の最後は胸が苦しくなる。

確かに烏野が全国優勝しちゃったら現実味がなくなっちゃうけど、それでもあのボールが落ちるシーンは何度読んでも「あぁ…。」ってなっちゃうよ。

全国大会のどっかで負けるなら、スラムダンクの愛和戦みたいに、ダイジェストになるか、比較的大差で負けるかだと思ってたのに、しっかり長尺で試合を描いた上でフルセットで僅差で負けるんだもんなぁ。わかってても胸がギュッてなってしまう…。

 

つーか『ハイキュー!!』の全試合の中で、鴎台戦が一番面白くないですか!?

連載当時は音駒戦か最終戦がベストゲームだと思ってたけど、改めて読み返すと鴎台戦が一番好きかも。

特にラストセットの日向が退場するまでは全てが熱すぎる。41巻は丸々全部が名場面。もう41巻だけ買って保存しておきたいもん。

 

 

繋ぐ

今一度全巻読み返してみて、全編通して作者が描きたかったことって、まさにこの「繋ぐ」ってメッセージだったんだろうなって、改めて思った。

 

だから烏野をあそこで負けさせたんだよな。

優勝して高校時代だけで完結してしまったら、光り輝く止まった思い出だけを描いた漫画になってしまう。

負けたことで、次はどうする、次は「なにもの」になる?っていう風に、明日へ続いていく。

その証拠に、烏野だけじゃない、木兎も佐久早も最後負けて終わっているし、負ける様子がしっかり描かれている。

プロ編で犬伏東の選手は登場するが、優勝した一林高校の選手だけは唯一一人も登場しない。

(高校時代に優勝することが悪い、というワケではなく、あの漫画の中で描くメッセージ的に、優勝した高校とその選手を描くのは難しかったのだろう)

 

プロ編はまさにその「繋ぐ」ってメッセージが全面に押し出されている。

その際たるエピソードが稲荷崎高校のメンバーのエピソード。

北さんが作ったお米が治のおにぎりになり、それが侑の筋肉になる。

ページめくって広大な稲穂の中にいる北さんが居た場面は、一番好きな場面の一つです。

思わず声が漏れちゃったし、目頭が熱くなっちゃったもん。

 

最終巻の裏表紙に仕事服を着た皆が跳ぶ姿が描かれているのもそう。

警察官や教師など、一見バレーに関係ない人たちの仕事も、バレーボール協会みたいに選手じゃないけど裏方として支えている人たちも、勿論選手も、全て繋がっている。

 

最後の終わり方もそう。

最終戦が終わったら2020東京オリンピックへ、オリンピックが終わったら2022年の世界大会へ、いつまでも挑戦は続いていく、繋がっていく。

 

漫画として美しく完璧なものを描くんじゃなく、現実に生きる人へリアルな熱さを届けたいという作者の情熱が、ホントに大好きです。

 

 

ゴミ捨て場の決戦

そして映画「ゴミ捨て場の決戦」も見ました。

 

連載当時は音駒戦が一番好きだったんだけど、改めて読み返したら「あれ?稲荷崎戦や鴎台戦の方が面白くね?」って正直思ってしまった。

白鳥沢や稲荷崎はチームそのものが格上な上に、大ボスみてーなとんでもなく強い選手がいて、まず第1セットで「どうやって勝つんだ?これ…。」っていうすさまじい絶望感があるんだよね。

少年漫画として王道というか、格上で強大で絶望的な強敵をどうやって倒すかっていう、漫画としては当然そっちの方が面白くなりやすい。…というかスポーツ漫画の物語の佳境で長尺で描かれる試合は100%そうだと言っていい。

 

対して、音駒戦は格上でもないし、絶望的に強い選手がいるワケでもないんだよね。むしろ白鳥沢や稲荷崎を倒したことで当たったときには烏野の方が格上扱いされているぐらい。

だから絶望感はそんなにない。勿論音駒も強いけど、あくまで互角感というか。

漫画としては白鳥沢や稲荷崎戦よりは地味だし、最後も稲荷崎戦が30点台のデュース合戦までもつれ込んだのに対して、音駒戦は25-21と最後デュースにもならずに終わっている。

 

面白くはあるんだけど、白鳥沢戦や稲荷崎戦と続けて一気に読むと「あれ?連載当時は音駒戦が一番面白いと思ってたけど、白鳥沢戦や稲荷崎戦の方が面白くね…?」ってちょっと物足りなく感じてしまう。

 

でも、映画見て思った。

音駒戦はそれがいいんだよ。

 

他の試合が格上の強敵に挑む王道少年漫画的試合なのに対して、烏野vs音駒はまさに「主人公vs主人公」の戦いだ。

実力も、作中での格も互角で、お互いがお互いに苦しめられているのがわかる。

強敵に挑む名勝負は他の漫画でも読めるけど、主人公vs主人公の、互角の立場での名勝負はこの漫画でしか読めない。

音駒戦こそが『ハイキュー!!』でしか読めない唯一無二の試合なんだ。

 

そして何より「バレーボールの楽しさ」のみに焦点を当ててるのがメッチャイイ!!!

他の試合は強敵に「どうやって勝つか」というのが焦点になっているけど、音駒戦はそんなもん取っ払って、ただひたすらに「楽しい」「この試合が楽しい」「続いてほしい」「苦しいけど終わってほしくない」という感情だけを描き切る。

「全国大会」「負けたら終わり」「最後の大会」そんなこと全て忘れて、最後は合宿所のただの練習試合のコートへと皆んなが戻っていく。

こんなに美しい試合があるか。

 

終わり方が30点台とかまでもつれ込まずに唐突に終わったのもそう。俺たち読者に「まだ終わってほしくない」「続いてほしい」という選手たちと同じ気持ちを味あわせるために、あえてそうしやがったんだよチクショウ。

こっからデュース合戦が続いていくんだ、この楽しい試合がまだまだ読めるんだと思っていた俺たちは、まんまと日向と同じリアクションになっちゃったよ。

「終わり」じゃない。次へ「繋ぐ」ために。「またやろう」の一言を読者にも思わせるために、あの終わり方だったんだろうな。

 

映画のラストワンプレーの研磨視点での描き方は最高でした。

アレは漫画ではできない。アニメでしかできない。

あんなんエモすぎるやろ、ズルすぎるやろ。

えぇ、泣きましたよ、泣きましたとも。今思い出してもちょっと泣きそうや。

 

挑戦者たち

まだまだ語りたいとこや語りたいことは尽きないけど、キリがないから一旦この辺で。

連載当時は「えぇー!?」と思った音駒戦や鴎台戦の終わり方も含めて、非の打ち所がない完璧な漫画だよチクショウ。

45巻もあんのに一度も長いと思わずに最後まで読み切っちゃったし。

最初の方とか合宿編とかブラジル編とか試合じゃないところも全部面白かったし。

これだけの長さで一切無駄がなくテンポよく全編面白いまま走り抜けているのはホントすごい。そんな漫画他にないんちゃうか!?

なんなら45巻でも「短いよ!もっと読みたいよ!!」と思っちゃったしね。

 

『ハイキュー!!』

改めて読んでも最高の漫画でした。

ありがとうございました。