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【小説】深夜特急 の 想い出

深夜特急

 

ひとつ、質問なんですが、

 

貴方、旅は好きですか?

 

なるほど。バックパッカーですか。

筋金入りですね。

 

では、『深夜特急』は読んだことはありますか?

 

なんと、知らない!?

 

貴方、旅が好きなのに『深夜特急』を読んでいないなんて、

そりゃモグリですよ。

 

悪いことは言わない、ぜひお読みなさい。

旅好きなのに『深夜特急』を読んでないなんて、人生の損失ですから。

 

 

 

1985年に刊行された、ルポライター沢木耕太郎による紀行小説。

 

香港、マカオを経由してインドのデリーに飛び、

デリーから、イギリスのロンドンまでを、飛行機や鉄道などを一切使わずに、

乗り合いバスなどの陸路のみで旅をする。

 

ユーラシア大陸の大半を、鉄道ではなく己の足で一国一国旅していく。

筆者の実体験であるその旅路の、詳細な様子を克明に記録した、

ベストセラー小説である。

 

私たちの年代だと知らない人も多いかもしれないが、

刊行された80年代当初は爆発的に売れ、

当時のバックパッカーたちのバイブル的存在だったらしい。

80年代から90年代にかけての海外個人旅行流行の背景には、

この作品のヒットも関係しているとか。

 

なんせ、「猿岩石のヒッチハイクの旅」も「あいのり」も、

両方、この『深夜特急』が元になっている。*1

 

内容は、ただひたすら淡々と、筆者がいわゆるバックパッカーとなって一人で世界を旅する様子を綴っていくだけだ。

 

だけど、これがひくほど面白い。

 

何で面白いかって、筆者がどの国に行っても

ずんずんディープな方向に進んでいくからなんだよね。

 

まず泊る所はひたすら安宿。

盗難に遭うかもとか気にしない。現地人と相部屋のボロ宿に平気で泊まる。

そしてメジャーな観光地などに興味はなく、ひたすら人が好きだから、

現地の人といろんな絡みが起こる方向に自然に足が向いていく。

 

人が好きって言っても、「僕は人間が大好きなんだ!」っていう意識高い系じゃないんだよね。

筆者自身は無自覚なんだけど、気が付いたら現地の人のゴミゴミした感じを一番実感できる場所に足が向いている感じ。

 

実際に終盤のヨーロッパでどこかの有名な遺跡に足を運んだとき、

「やはり私は動かない遺跡よりも、人を見ている方が面白いようだ」

みたいな話をしている。

 

マカオで大小というサイコロギャンブルにハマったり、

インドのクソみたいに雑然とした雰囲気の虜になって長期間滞在したり、

現地の娼婦に迫られたり、

乗り合いバスの料金を強引に値切ったり、

とにかく生々しいエピソードをこれでもかと詰め込んでいる。

 

この本に出会ったのは中学生のときだったけど、

この刺激的な書物に俺は夢中になった。

 

これは、この本に出会ったが為に旅に出たいという欲求に抗えなくなり、

人生が大きく変わってしまった人が続出したというのも頷ける。

 

とにかく旅が好きなら、こんなに面白い本はないはずだ。

特に、バックパッカーや、ヒッチハイクや、貧乏旅行が好きなら尚更。

 

 

なんせこの書物は、「旅人の聖典」なのだから。

 

 

~バティ小説ランキング 第2位『深夜特急』~

深夜特急(1?6) 合本版

深夜特急(1?6) 合本版

 

*1:その証に、両番組の初期のルートは深夜特急の旅路とピタリと一致している