にわかじこみの一般人。

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【アニメ】四畳半神話大系 の 想い出

四畳半神話大系

 

古き悪しき大学生の話である。

 

【あらすじ】

私は京都大学の3回生。彼女も友達もいないクサレ大学生である。入学した当初、私は夢に溢れていた。素敵なサークルに入り、リア充になり、ふわふわした黒髪の乙女を彼女にして、薔薇色の大学生活を送るのだ!と。しかし今、リア充共は皆私を避けて通り、黒髪の乙女などどこへやら、隣にいるのは妖怪のような悪友の小津だけである。あぁ、どうしてこうなってしまったのだ!それもこれも全て、入学当初にこのサークルを選び、小津と出会ってしまったからだ。あのとき、別なサークルに入ってさえいれば、今頃、薔薇色の大学生活を送っていたはずなのに―――!

という主人公の後悔をもとに、実に9つものパターン*1、主人公が「別のサークル」に入っていた場合の大学生活を、並行世界として一話一話追っていく。結局どのサークルに入ろうとも、小津と出会い、ろくでもない顛末を迎えるのは皆一緒なのだが、最後には、予想だにしなかったあっと驚く素晴らしい結末が待っているのだった―――。

 

元は森見登美彦の小説。

森見登美彦といえば、

・あえての古臭い文体

・妖しくも美しい京都を煌びやかに描く

・ダメ大学生の腐った大学生活を面白可笑しく描く

・かる~く読めてめっちゃ笑えるコメディ

なんだけど、これらの特長をアニメでそりゃもう見事に再現している。

 

『雑然としていて、妖しいんだけど、美しくて、魅力的な「京都」という街の不思議な雰囲気を、めちゃくちゃ魅力的に描いている』

『サークルとか遊びとかにうつつを抜かして、単位を落としまくって、でも非リア充で、もてないことに苦悩する、ダメ大学生の心中や実生活を、めちゃくちゃ面白可笑しく描いている』

それが、このアニメの2つの大きな魅力。

 

とにかく絵が綺麗だし、普通のアニメではないちょっと不思議なタッチの絵が描く空気感が、現代だってのに天狗や化狸が出そうな京都の妖艶な魅力を、そりゃもう全面に押し出してくる。この雰囲気に浸ってるだけでも、見てて飽きない。

 

あまりにもレトロな雰囲気に描かれているから、大正時代の話かと錯覚しそうになるけど、作中にスマートフォンが登場することからも分かる通り、フツーに現代の話だからね。

 

そしてダメ大学生の描き方のリアリティがすごい。サークルにうつつを抜かして単位を落としまくった人、大学時代モテなくて苦悩した人、一人暮らしの魔力に飲まれて堕落した学生生活を送ってた身に覚えのある人、見たら「うわ~わかるわ~~~~」ってなる。絶対。

 

さらに、小説にはない、アニメならではの魅力が2つ。

 

1つは、声優:浅沼晋太郎による、超高速の語り口。

原作の物語は文学青年ぶって理屈っぽい主人公の独白で進むんだけど、アニメでその早回しを完全再現してるのはホント凄い!浅沼晋太郎のテンポの良い語り口が気持ち良すぎて、何っ回でも繰り返し見てしまう。

 

クライマックスの第10話なんて、エンドクレジットが浅沼晋太郎ただ一人だからね。

つまり、30分間、浅沼晋太郎がたった一人で喋り続けるということ!

なのに、超絶面白いからスゴい。

 

2つ目は、全ての伏線が見事に回収された、カタルシス全開のあっと驚く最終回!

アニメは原作とはちょっと異なる最終回を迎えるんだけど、この最終回の結末が本当に素晴らしい!

正直同じ話を9回も繰り返すわけだから、中盤にはちょっと中だるみもあるんだけど、それでもここまでの9話を全て見てきて良かったと心から思わせるほど、最終回の伏線回収は完璧で、驚愕で、感動的だった!

つーか、基本コメディだから感動するような話じゃないはずなのに、ストーリーの作りが上手すぎるのと、演出が神過ぎるせいで、最終回、泣いたもん、無駄に。

キルラキルのレビューでも言ったけど、演出さえ神掛かっていれば、プロットがギャグだろうと、感動して泣ける。

とにかくマジでこの伏線回収の気持ち良さは体験する価値あるよ!

心からオススメできる!!

 

一時期ハマりすぎて第一話前半の浅沼晋太郎の語りをほぼ完全再現で暗唱できるようになった。我ながら気持ち悪い。

 

 

あ、もう一個、魅力を語り忘れてた。

 

 

明石さんが可愛い。

 

 

見た人はわかるよね?

 

 

雰囲気のある京都の街が好きな人。

堕落した学生生活を送った覚えのある人。

くだらない話が好きな人。

自信を持ってお勧めします。

 

 

 

~バティアニメランキング 第2位『四畳半神話大系』~

*1:原作では4パターン。アニメでは9パターンに増えている