Romancing SaGa -Minstrel Song-
PS2用RPG『ロマンシング サ・ガ -ミンストレルソング-』のラスボスにして裏ボス。ラスボスである邪神サルーインに、このゲームのキーアイテムである「デスティニーストーン」という10個の宝石を全て献上することによって戦える、全ての力を取り戻したサルーインの真の姿。その実力は通常戦えるサルーインの何十倍も強く、現代日本で今日まで発売された全てのRPGの全てのラスボス・裏ボスの中で最も強いという呼び声も高い。鍛えに鍛えたパーティーが成す術もなくあっという間に全滅に追い込まれていく姿はただただ絶望の二文字。
驚異の4回攻撃
通常30,000のHPは90,000にまで上昇
あらゆるステータス異常を与えてくる攻撃
オーバーキルクラスの全体攻撃魔法
おまけにラスボス恒例の補助魔法解除攻撃
とにかく強い、RPG最強の裏ボス『真サルーイン』。どんなにザコ相手にレベル上げをしようと(そもそもこのゲームにはレベルという概念がないんだけど)、考えなしに育てたパーティーだとまずもって絶対に勝てない。倒すには入念に準備をして、ゲーム開始時から計画的にパーティーを育てないと絶対に勝てない相手だ。
前提として、サルーインはこちらに戦闘不能者が出ると、即座にその戦闘不能者を操り人形に変えてしまう極悪技「アニメート」を使用してくる。この「アニメート」による操り人形状態を解除する方法は何と存在しない。解除するには再び戦闘不能にするしかないのだが、戦闘不能になったとたん再度アニメートをかけてくる無限ループ。このループを抜け出すには、運よく素早さMAXの真サルーインより先に回復魔法を掛けるか、運よくアニメートを使ってこないことを祈るしかない。
だから、確実に勝利を目指すためには、戦闘中、絶対に戦闘不能者を出してはならないのだ。この時点で難易度はダダ上がりする。
そのため、サルーインとの戦闘では、戦闘不能になった瞬間にオートで復活する魔法「リヴァイヴァ」を常に全員に掛けた状態で挑むことになるのだが、このサルーイン、ドラクエでいう「凍てつく波動」にあたるラスボス恒例の補助魔法解除攻撃を2種類も持っているのだ。「ヴォーテクス」「ダークネビュラ」の2つ。どちらも全体攻撃で、しかもダークネビュラの方はダメージのおまけつき。こいつがきたら、全員リヴァイヴァを剝がされた無防備状態に逆戻りだ。
そして何より恐ろしいのは、こいつの究極最強奥義、ゴッドハンド である。
「ゴッドハンド」っていうカッコいい名前がついてるが、やってることはなんとただ握り潰すだけ。
PS2の当時最新鋭グラフィックのRPGで、設定上も最強の破壊神で、実際にもっとド派手な見た目の魔法も山ほど使ってくるのに、最強の技がただ握り潰すだけ。これは、すごいことだ。と同時に、めちゃくちゃサガらしくて笑える。
で、このゴッドハンド、何が厄介って、こっちのHPが最大でも650くらいまでしかないっていうのに、平気で1000以上のダメージを与えてくるってことだ。そして何より恐ろしいのは、稀にこっちのリヴァイヴァを貫通して一発で戦闘不能にしてくる追加効果が付いてくるっていうこと。
しかも真サルーインの場合、これらの攻撃を4回連続で行ってくる可能性があるのだ。
こちらが全員HP満タン、全員にリヴァイヴァが掛かった盤石の状態だったのに、ゴッドハンド4連発 → 死体が4つ転がる → アニメート4連発 → 1人以外全員行動不能の絶体絶命、なんてことが実際に起こりうる。もうめちゃくちゃだ。
実際にここまでの状況にキレイになることはそうそうないが、それでも ゴッドハンド4連発 は結構な確率で繰り出してくる。盤石な体制で「今回は行けるぞ!」と確信していた状態から、地獄のゴッドハンド4連発で一瞬でパーティーがボロボロになる絶望感は、実際に味わった者にしかわからない。
ハッキリ言ってゴッドハンド4連発を完璧に防ぐ方法はないので、戦闘が長引いてゴッドハンド4連発が飛んでくる前に、短期決戦で倒すしかない。そのためには、相手のステータス異常攻撃や属性魔法を防ぎ、ダメージをなるべく抑えて攻撃に専念できるように防具を揃えること、全員がバランスよくリヴァイヴァや回復魔法を使えるようにスキルや武器を揃えること、全員の与えるダメージソースができる限り最大になるようにジョブやスキルや武器を考えて育てることが必要なのだが、これがめちゃくちゃ大変。
このゲームはやみくもにザコを倒して普通のRPGでいうレベル上げをして到達できる強さには限界があって、そこまで行くとどんなに戦ってもほとんど能力値は上がらなくなる。そして、それだけでは真サルーインに絶対に勝てない。勝つためには有用な武器防具を、敵を倒して回収したり、世界中を巡って発掘したりし、さらにはそれを強化するための材料を集めて武器防具を改造しなければいけない。
加えて、各キャラのジョブやスキルも真サルーイン用に調整しなければいけないが、ジョブチェンジやスキルゲットに必要な「ジュエル」と呼ばれる経験値の一種は、なんと、一周で手に入る量が有限なのだ。そのため、やみくもにゲームを進めていって、終盤になってから真サルーイン用にパーティーを調整しようと思ったら絶対にジュエルが足りなくなる。だから、真サルーインと戦うためのパーティーを育てようと思ったら、ゲーム開始時から誰をどのジョブにしてどんなスキルを身に付けさせるかをきちんと計画立てて育てていかなければならないのだ。
めちゃくちゃ大変だけど、ただ闇雲に時間をかけてレベルを上げさえすれば倒せる裏ボスと戦うよりも ずっとずっと楽しい!
ヤツのあの攻撃を防ぐには、この魔法のダメージを少しでも抑えるには、こいつをこのジョブにつかせて、4人にはこの防具をがんばって発掘してきて装備させて、1人にはこの1点ものの防具を装備させて、あの技を使わせて……と、考えて、準備して、苦労して、挑戦して、ダメならまた考えて…とやる時間がたまんなく楽しいんだよね!
そうして何百回も挑戦して、全滅の二文字を何度も何度も目にして、ようやく倒したときの 達成感は最高!
初めてコイツを倒したとき、俺は部屋の中で立ち上がってガッツポーズを取りながら「やったーーッ!!」って絶叫したもん。
長いゲーム人生の中でも、声を上げてまで喜んだのは、
・『ジョイメカファイト』のスペシャルのホウオウを倒したとき
・『東方風神録』の八坂神奈子を倒したとき
・『ロマンシングサガ -ミンストレルソング-』の真サルーインを倒したとき
の3度だけだ。
とにかくめちゃくちゃに強いけど、倒すのもめちゃくちゃに楽しい、
ゲームが好きなら、RPGが好きなら、そして不可能に挑むのが好きなら、
ぜひ挑戦してみてはいかがですか?
ロマンシング サガ ~ミンストレルソング~ アルティマニア (SE-MOOK)
- 作者: スタジオベントスタッフ
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2005/07/15
- メディア: 単行本
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