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【漫画】『進撃の巨人』を読んで【ネタバレ感想】

進撃の巨人

 

 

※ ネタバレありなので注意

 

進撃の巨人は連載開始時に話題になった時に最初の8巻だけ読んで、「きっと出オチ漫画だろう」とナメてかかって以降読んでいなかった。

 

ところがその後、とんでもない展開の連続になって大盛り上がりしていると聞いて、読んでいなかったことを大きく後悔した。

 

特にいつぞやの番組で「東大生が選ぶ学びがあった漫画ランキング」で5位だか6位だか、めちゃくちゃ上位に入っていて、「戦争の複雑さや残酷さを非常にリアルに描いている作品」「立場が変われば正義も変わるという価値観の転換を学んだ」などといったコメントを見て、「えぇっ!?いつの間にそんな深い漫画になったの!?」と大変驚愕した。

 

それ以来ずっと読んでみたいと思っていたこの世紀の大傑作と名高いこの作品を、2022年9月のシルバーウィークを使って、ようやく完結まで読み切りましたよ。

 

今日はその感想をば。

 

確かに、23巻〜30巻は、全人類が読むべき漫画

進撃の巨人は、話の中身がガラッと変わるターニングポイントが幾つかあるが、中でも最も大きな話の転換点が、22巻と23巻の間。

22巻もかけてエレンたち『壁の中』の人間のストーリーをがっつり描き、読者に彼らに100%感情移入させてから、23巻から180°立場が異なる、エレンたちパラディ島の敵国であるマーレの人々を主人公としたストーリーがスタートする。

 

この構成は本当に見事としか言いようがない。

特に、マーレの洗脳教育に染まり切った少女、ガビを中心とした因果の糸の巡り合わせはすごい。

彼女がサシャを殺したことから始まる因縁、悪魔と呼んでいたパラディ島の住人であるカヤたちの優しさに触れ、同じマーレ人であるニコロにパラディ島の悪魔を仕留めたことを告げると激昂され殺されかけ、ニコロやカヤに今度は自分が「悪魔」と呼ばれる。

こういったことを経験した彼女の口から出た「悪魔なんていなかった・・・この島には・・・人がいるだけ」という言葉は、薄っぺらい一元的なストーリーではなく、誰にも何ともできない複雑な因果の糸が作り込まれているからこそ出る重みがある。

 

23巻から30巻くらいまでの『進撃の巨人』の内容は、巨人という魔法的な要素を除けば、全てが我々の世界でも起こりうることであり、実際に今も世界中で起こっているであろうことである。

イスラム圏の民族紛争なんてきっと皆がこんな感じなんだろうし、立場が変われば正義も変わる。皆が自分が正義だと信じて行動して、皆が残酷で、皆が優しくて、だからこそ悲劇はなくならない。

そういった現実を言葉や字面ではなく、ストーリーや人間関係で描写しているこのマーレ編は、確かに、東大生が「学びがある」「読むべき」と評するのは納得だ。

 

正直、教科書に載せても良いくらいの話だ。

これは確かに現代社会に生きる人類なら誰もが読むべき漫画だと思う。

 

進撃の巨人の4つのパート

進撃の巨人は大きく分けると4つのパートに分かれている。

1〜10巻は人間vs巨人の話。

11〜22巻は人間vs人間の話。

23〜30巻は戦争の話。

31〜34巻は世界の真実の話。

 

『進撃の巨人』の本質は23〜30巻の戦争の話だけど、正直、エンタメとして一番面白かったのは、11〜22巻の人間vs人間の話。

 

率直に言って、10巻ラストの

えぇー!?

ライナーとベルトルトが鎧の巨人と超大型巨人だったのー!?

ってところが一番面白かったし、一番自分の好みだった。

 

あと20巻前後のシガンシナ地区の決戦ね。

アレは少年漫画的にめちゃくちゃ熱かったし、スゲー手に汗握った。

リヴァイ兵長が獣の巨人のうなじを切り落とすところは思わずガッツポーズしたよね。

 

本質は23巻以降だし、そこが一番深いし凄いし読むべきポイントだと思ったけれど、

自分はやはり10〜22巻のような、エンタメとして単純に面白い漫画が好きだし、そういう方にやっぱり惹かれてしまうな。

まぁ、一つの作品でその両方を楽しめるのが、この『進撃の巨人』の凄いところなんだろうけど。

 

31巻以降はもう話が壮大になりすぎて、ちょっと引いてしまったかな。

世界の滅亡を前にして、世界中の人々が一致団結する描写は、23〜30巻のテイストを引き継いでいて、その部分はすごく良かったけどね。

 

まぁ、このストーリーを畳もうと思ったら、あれぐらい壮大な話にせざるを得ないし、これだけの大作の結末としては、上手く畳んだ方よね。

 

読後感が似ている作品

読後感としては、以下のような作品にかなり似ているなと思った。

・鋼の錬金術師

・約束のネバーランド

・風の谷のナウシカ(原作漫画版)

・クレイモア

世界全体に大きな秘密が隠されている所とか、最終盤で憎しみ合っていた異民族同士が手を取り合う所とか、主人公側が忌み嫌われている異形の力を自分たちのものとして戦う所とか。

 

進撃の巨人は「ナウシカ」や「ハガレン」を元にして描かれた部分も大いにあるんだろうし、逆に「約ネバ」は進撃の巨人を参考にして描いたところもあるんだろうな。

進撃が好きな人は上の4つも好きそうだし、逆に上のような漫画が好きな人なら進撃もハマるはずだから、読んでみたら良いと思う。

 

総じて

総じて、名作と名高いだけあって、かなり面白かったです。

メッセージ性としても、深く学びがあって読むべき作品だと思ったし。

 

今更ながら、読めて良かった!