ジョイメカファイト
大好きなゲームである。
思い出補正というパラメータだけをみたら、全テレビゲームの中で一番かもしれない。
そのぐらい、自分にとっては思い入れの深いゲームだ。
何より 音楽 がいいんである。
ファミコンの3和音なのに、このゲームより音楽が素晴らしいゲームを自分は知らない。
長文読みたくないって人はとりあえず一曲だけでも聴いてってくれ!
そして Nintendo Switch Online でプレイできるから遊んでみよう!
ジョイメカファイトとは?
発売時期はファミコン時代の終焉期
1993年に任天堂から発売されたファミコン用格闘ゲーム。
ストリートファイターⅡブーム の全盛期が1992年なので、わかりやすくストⅡが起こした格ゲーブームに乗っかった作品なんだけど、注目すべきはハードがスーパーファミコンではなく ファミコン であるという点。
スーパーファミコンが発売されてもう3年近くが経とうという時代に、旧世代機ファミコンで発売されたソフトなんである。*1
自分は幼稚園から小学校に上がるときにちょうどスーパーファミコンが発売された世代だから、ファミコンからスーファミへの過渡期を実際に体験しているんだけど、当時はスーファミが発売されたからってみんな一気にファミコンをやらなくなったわけじゃないんだよね。大抵みんなスーファミとファミコンの両方を持っていて、だいたい3年くらいは、面白いソフトがあればスーファミだろうとファミコンだろうと関係なくやっていた。スーファミで「スーパーマリオワールド」「ストリートファイターⅡ」「マリオカート」をプレイする一方で、並行してファミコンでも「星のカービィ 夢の泉の物語」「ロックマン6」「ドラゴンクエストⅣ」なんかを遊んでいた。
このジョイメカファイトも、そんな「スーファミが出たけどその後も普通にファミコンが遊ばれていた時代」=ファミコン時代末期に発売された名作ソフトの一つだ。*2
まぁ、僕らは普通に遊んでいたけど、世間的にはとっくにスーパーファミコンの時代になっていたので、全然注目されなかったし、有名なソフトではないことは確かだ。でも、遊んだ人は間違いなくハマっていた。
"ある方法" で実現したファミコンでの格闘ゲーム
本来、ファミコンのスペックでは、ストⅡのようにぬるぬる動く格闘ゲームを作ることは不可能だ。
このジョイメカファイトは、それを "ある方法" で実現させた、めちゃくちゃ画期的なゲームなんである。
このゲームの主人公や敵キャラたちはみんなロボットで、胴体と手と足と頭がバラバラに分離していてそれぞれのパーツが空中に浮かんでいる。
…と、言葉で説明しても、
どういうことかさっぱりわからないだろう。
これはもう動画を見てもらったほうが早い。
このように、必要最低限のパーツだけでキャラクターを描写することで、ファミコンでもスムーズな格闘ゲームを作ることに成功したんである!!
そして、このキャラクター描写のために、主人公たちを人間ではなく「ロボット」という設定にしたのがまた上手いところだ。
36体もの豊富なプレイヤーキャラクター
さらに、このシンプルなキャラクター描写により、36体ものプレイヤーキャラクターを登場させることにも成功している。
スーファミのストⅡですら最初は12人だったのに、実にその3倍である。ファミコンでこれはすごい。すごすぎる。
もちろん似たようなキャラも多いし、使い回しのキャラもめちゃめちゃ多い。そもそも1つのキャラに技が4つしかない。けど、それでも36体ものキャラから選んで遊べるのは普通にワクワクする。
ちなみに、格闘ゲームで はじめて練習モードが搭載されたゲーム でもある。
地味だけど、ゲームの歴史的に見ても結構すごいゲームなのだ。
ジョイメカファイトの魅力
何よりも『音楽』がイイ!!
そんな『ジョイメカファイト』の魅力は何なのか。
冒頭でもフライングで言っちゃった通り、もう何よりもまず 音楽がめちゃくちゃイイんである。
一曲目から素晴らしいけど、特にオススメは 14:16〜 と 19:37〜 。名曲です。
こんな ふざけた ポップな見た目のロボットたちのゲームなのに、どう聴いてもめちゃくちゃシリアスなストーリーのゲームのバトルミュージックにしか聞こえない。
パッケージだけ見たらギャグとしか思えないキャラクターと世界観だけど、この音楽のせいで自分はめちゃくちゃシリアスなストーリーだと思ってプレイしていた。ていうか、今でもそうだと思っている。このロボットたち、見た目はこんなだけど、全員悲愴な決意を胸に秘めた真面目な戦士たちだと。なんなら「ジョイメカファイト2」のストーリーを勝手に全部考えてしまうほど、この音楽一つで妄想が膨らんでいた。
とにかくメインのメロディラインが めちゃくちゃカッコいい。それでいて、切なさと郷愁みたいなものも込められていて、聴いててグッと胸が締め付けられる。ファミコンのたった3和音でこれほど感情を揺さぶってくるのはマジで凄い。
第4ステージの曲なんか全て、天空の神秘的な空気感が完璧に表現されていて、雲海のステージと合いすぎでもう聴いててたまんない。
第3ステージのボス、ガーボーグとの戦いで流れるBGMは、未だに全ゲームミュージックの中で一番好きな一曲だ。
この人が作曲を担当したゲームをもっとプレイしたいのに、調べても全然出てこない。Wikipediaではサウンド・デザイナーは 清水 英明 さんという方だと書いてあるが、どうやら元々作曲畑の人ではないらしい。こんなに才能溢れているのに。勿体ないなー。
達成感がハンパない!
ジョイメカファイトのもう一つの魅力は、達成感がハンパないこと。
普通格闘ゲームのストーリーモードって、8人くらいのキャラクターを倒したらそれでエンディングだから、30分くらいでサクッとクリアできちゃうものだ。
RPGのように長い旅路をエンディング目指して歩くんじゃなく、短いスパンを何回も繰り返してハイスコアを目指す遊び方をするのが普通である。
ところが、このジョイメカファイトのストーリーモードは、全4ステージ、35体の敵キャラクターを全て倒すまで終わらない。
しかも1体の敵につきライフが3つあるから、けっこうな長丁場である。
当然、普通の格闘ゲームのように30分でサクッとクリアするというわけにはいかず、こまめにセーブしながら何日かかけてクリアすることになる。
格闘ゲームでありながら、RPGのような長旅を経験できるのだ。
こういう楽しさが味わえるゲームって、当時はもちろん今でもなかなかないんじゃないか?
おまけに難易度はノーマル・ハード・スペシャルの3段階があって、
スペシャルモードはむちゃくちゃ難しい。
しかもどの敵もライフが最後の1つになると発狂して別人のように極悪パワーアップするので、ライフ2つ差で追い詰めて余裕で勝てると思ってたところから突然手も足も出ずにボコボコにノされて負けるなんてことが日常茶飯事だ。
そんな困難を乗り越えて全35体ものロボットを全て撃破し、最後に最強のロボット "ホウオウ" を月面での最終決戦にて撃破したときの達成感はそれはもう 感無量 である。
ホウオウ戦のBGMがまたイイんだ、これが。
未だにスペシャルのホウオウを初めて倒した瞬間は、テレビゲーム人生で最も嬉しかった瞬間ベスト3に入る。
脳汁がドバドバ出てたまんないよホント。ドーパミンの洪水。
そしてその達成感を増幅させる仕掛けが、このジョイメカファイトにはもう一つある。
4つあるステージにはそれぞれ8体の敵+1体のボス敵がいるんだけど、各ステージをクリアしたときに、その9体の敵を倒した瞬間の映像をプレイバックしてくれる んである。
しかもセピア色のスローモーションで、決め技が何だったかまでテロップで出してくれる。
だからきちんと必殺技でトドメを刺すと「キメワザ:ファイヤーボール」とか出てきてめちゃくちゃカッコいいんだけど、うっかり普通のパンチとかでトドメを刺しちゃうと「キメワザ:キョウパンチ」とかになっちゃってスゴいダサい。
このセピア色のプレイバックを見ているときの高揚感は、たまんない…!
格ゲー初心者に優しい!
自分は一番苦手なジャンルのゲームが 格闘ゲーム である。
ストⅡ全盛期に波動拳すら出せなくて、友達の家を叩き出された苦い思い出があるくらいだ。
そんな自分が、ジョイメカファイトは夢中になってプレイしたし、スペシャルまでクリアーできた。
このジョイメカファイト、プロの格闘ゲーマーからしたら、おそらくゲームバランスはめちゃくちゃなんだろう。
強キャラと弱キャラの差が激しいし、多分ハメ技も数多く存在してる。
格ゲー上級者からしたら、もしかしたら出来の良いゲームではないのかもしれない。
でも、36体ものキャラクターが選べることや、1つのキャラにつき必殺技が4つしかない*3シンプルな構造は、格闘ゲームが苦手な子供にとってはめちゃくちゃ入りやすかった。
キャラの見た目もポップで親しみやすいし、ステージをクリアしていく達成感は格ゲー初心者でものめり込みやすかったし、練習モードも完備してるから技の出し方に困ることもなかった。
格ゲー初心者でも夢中になれるゲーム、それがジョイメカファイトだ。
まとめ
いかがだっただろうか?
・音楽が良くて
・達成感がハンパなくて
・格闘ゲームが苦手でも夢中になれる
それが『ジョイメカファイト』だ。
今なら Nintendo Switch Online でプレイできる!
Switch を持ってる人は、ぜひプレイしよう!
ちなみにWiiやWiiU、ニンテンドー3DSのバーチャルコンソールでも遊べるぞ!!