ハリー・ポッター
世界中で超超超超絶ベストセラーとなっている、ハリー・ポッターシリーズ。
これだけ人気の作品だけど、
それでも、
「ハリー・ポッターって子供向けのお話なんでしょ?」
という、とんでもない勘違いをしたまま読んだことのない人がいるかもしれない。
今日はそんな「この超絶傑作をまだ読んだことがない」という人に向けて、
ハリー・ポッターの魅力を全力でプレゼンしていこう!
心からワクワクする、夢溢れる魔法世界の描き方
ハリー・ポッターの最大の魅力は、なんといっても 読んでて心からワクワクする、魔法世界のリアルで夢あふれる描写 だ。
ハリー・ポッターでは、作品の中で、魔法使いたちが暮らす町や村、学校、家や企業や役所まで含めた魔法使いの社会全体が、ものすごくリアルに生々しく、かつ緻密に描写されるんだけど、これが読んでてめちゃくちゃワクワクする!
世にも美しい風景、不思議な生き物、喉から手が出るほど欲しくなる便利な魔法、よくわからんけどなんだかものすごく美味しそうな食べ物や飲み物、奇妙奇天烈なアイテム、魔法使いならではのルールや法律、そういったものが、全てことごとく素敵で楽しそうで面白そうに描かれていて、読んでて心底「羨ましい!自分も魔法世界に行きたい!」って気持ちが止まらなくなるのだ。
特に主人公のハリーたちが物語の大半を過ごす魔法学校 "ホグワーツ" の描写は素晴らしい!
この学校に入学できるハリーたちを心底羨ましいと思うし、自分にも梟が手紙を運んできて、ホグワーツへの入学許可証が届いたらいいのにと本気で願ってしまうほどだ。
ハリー・ポッターは魔法世界というファンタジーの話ではあるけれども、決して中世ヨーロッパや異世界などが舞台ではなく、我々が生きるこの現代を舞台とした物語だ。
スマホを持ちパソコンを叩く現代の我々が生きるイギリスのその裏で、魔法使いたちが独自の社会を築き上げ、我々に紛れてひっそりと暮らしている、という設定なのだ。
しかもホグワーツに入学して魔法使いになれるのは、魔法使いの子供だけではない。我々と同じく魔法使いが実在するなんて露ほども知らない一般人の元にも、ある日突然入学許可証が届いて、魔法使いの学校に入学できたりするのだ。(何を隠そう、主要キャラクターの一人であり、ご存じエマ・ワトソン演じるハーマイオニーが、そういった立場のキャラクターなのだ)
我々一般人が行き交う現代のイギリスのキングスクロス駅のホームの何の変哲もない一本の柱の向こうに、夢のような魔法の世界が広がっている。こんなワクワクする話があろうか!?
夢あふれる魔法世界の魅力的な描写と、その世界が我々のすぐそばに広がっているという夢のある設定、それこそが、ハリーポッターの一つ目にして最大の魅力なんである。
緻密な伏線回収と、あっと驚く大どんでん返し
ハリー・ポッターのもう一つの魅力、それは "夢あふれる魔法とファンタジーの物語" という称号とは全く真逆の性質のものである。
それは、全編通して緻密に張り巡らされた伏線と、それによるラストの怒涛の伏線回収、そして、あっと驚く大どんでん返しだ。
読んだことのない人には全くイメージがないかもしれないが、ハリー・ポッターはジャンルとしては「伏線回収系」「どんでん返し系」のジャンルに分類される作品なんである。
しかも、その中でも最上級クラスの出来と言っていい。
『シュタインズゲート』『魔法少女まどかマギカ』『ダンガンロンパ』『東野圭吾作品』『彼方のアストラ』『金田一少年の事件簿』、
読後感としては、これらの作品と非常に近いものがある。というか、上記の作品群が好きでハリー・ポッターを読んでいない人がいたらマジで勿体無い!
ハリー・ポッターは第1作の『賢者の石』から最終作の『死の秘宝』まで全7作品あるんだけど、毎回毎作ストーリーが物凄く作り込まれている。
細かいところまで設定がきちんと練り込まれていて、その設定を活かした様々な伏線が作中に最初から最後までびっしりと張り巡らされていて、ラストで怒涛の伏線回収を行い、最後にはあっと驚く衝撃の大どんでん返しが見事に炸裂する。
さらに、7作品の一つ一つの物語がそれぞれ単品で素晴らしいのに、7作全てを貫く、全シリーズを通した重要な伏線とその回収、大どんでん返しも存在するのだ。
伏線モノ好き、どんでん返し好きにとって、これ以上贅沢な書物があろうか!?
この点を認識せずにハリー・ポッターを読まずにいた人は、もう今すぐ書店に駆け込んで全巻買い漁った方がいい。絶対に生涯指折りの衝撃体験を味わうことができるから。
王道×王道のハイブリッド作品
まさにファンタジーといった夢と幻想と憧れという魅力と、ファンタジーのイメージと真逆のロジカルで論理的な伏線回収と大どんでん返しという魅力。
ハリー・ポッターは、2つの全く異なる魅力を併せ持つハイブリッド作品なんである。
というか、ハリー・ポッターの魅力は、あらゆる点で「ハイブリッド」で説明できる気がする。
魔法×現実。
子供×大人。
エモーショナル×ロジカル。
文系×理系。
中世ヨーロッパや異世界のような魔法世界が、我々が生きる現代の中に存在するという矛盾。
子供をワクワクさせるフィックションの描写と、大人でも唸る緻密な話作り。
幻想的な描写というエモーショナルな魅力と、作り込まれたプロットというロジカルな魅力。
ヒット作を生み出す秘訣は王道×王道とはよく言ったものだ。
1つ1つの要素はありふれた使い古されたものだが、意外な2つを掛け合わせることで、斬新で衝撃的に面白い作品を生み出すことができる。
読後感の近い作品として『シュタインズゲート』『彼方のアストラ』『金田一少年の事件簿』などを挙げたが、ハリー・ポッターはファンタジー/童話/物語でありながら、読後感や話作りとしてはSF/ミステリー/サスペンスに極めて近いのだ。
この王道だけど全く真逆の2つのジャンルをうまく掛け合わせたこと、それこそがハリー・ポッターの面白さの秘訣であり、成功の要因なんではないだろうか。
これと全く逆の掛け算で成功したのが『スターウォーズ』である。
SFという題材でエモーショナルな話作りをしたのが『スターウォーズ』。
ファンタジーという題材でロジカルな話作りをしたのが『ハリー・ポッター』なんである。
まぁとにかく何が言いたいかっていうと、ハリー・ポッターは子供が読んでも、ファンタジーや夢や幻想が好きなロマンチストが読んでも面白いし、それとは真逆の大人が読んでも、ロジカルで緻密な設定や論理的なプロットが好きなリアリストが読んでも面白い、だから世界中で愛されるんである。
だから、前者の子供やロマンチストが読む読み物だと思って遠ざけていたそこの君!
今すぐ読むんだ!
君が読んでもめちゃくちゃ面白い!
というか君こそ読んだら絶対に絶対に気に入る!!
読まないのは人生の損失!!!
さぁ、今すぐ9と4分の3番線からホグワーツへ出発するんだ!!!!!
おわりに
テンションが上がりすぎてしまったけど、とにかく老若男女、大人から子供まで、王道好きから邪道しか読まないよって人まで、全世界のありとあらゆる人類が幅広く楽しめる作品です。
あと、本が嫌いな人でも読める。ものすごく読みやすいから、普段活字は大嫌いだけどハリー・ポッターだけは読むって人を何人も知っているし、それでいて読書好きも満足させるだけのしっかりとした表現力と読み応えも兼ね備えている。
あらゆる意味で完璧なエンターテイメントです。
僕自身の人生におけるあらゆるメディア作品の中でも10本…いや5本の指には入るんじゃないかっていうぐらい、大好きだし、面白かったし、何より衝撃的な作品でした。
自分はハリー・ポッターに出会えて本当に良かったって思っています。
ハリー・ポッターが出版されたこの時代に生まれ落ちて心から幸運だった、とも。
だから貴方もきっとそう思うから、読んだことがない方はぜひ読んでみてください!