今日の漫画はエグい。
今までのどの漫画よりエグいよ。
HUNTER×HUNTERより、20世紀少年より、ONE PIECEの過去編よりエグいよ。
あらすじ
内向的で登校拒否中の女子校生、岩清水 ナツ は、夕食を食べて自分の部屋で眠っていたはずが、目覚めると、荒れ狂う海の上にいた。やがて流れ着いた無人島、見知らぬ男女、自分が何故ここにいるかもわからぬまま、生きるための過酷な冒険が始まった。
実はナツたち7人は、迫りくる天変地異から人類という種を保存するため、冷凍保存された人類最後の生き残りだったのだ。遥かな未来、文明は滅び、生態系も全てが変わってしまった世界で、やがて他の場所で目覚めたチームを巻き込みながら、ナツたちの人類という種の生存を賭けたサバイバルは、過酷を極めていく―――。
作品解説
遥かな未来、冷凍保存から解き放たれた人類が、文明も滅び、生態系も全て変わってしまった世界で生き残りを賭けた冒険を繰り広げていくサバイバル漫画。7SEEDSとは7人1チームで種の保全のための冷凍保存を行う政府のプロジェクト名で、日本では春、夏A、夏B、秋、冬の5チームが日本各所に冷凍保存された。
物語は各チームに所属する複数の主人公の目線で移り変わっていき、政府のプロジェクトの犠牲になった子供たちや、冷凍保存されずにシェルターで生き残った人たちなどの過去の物語もはさみながら、やがて5つのチームの物語は出会い、複雑に絡み合い、多様な人間ドラマを生み出していく。
① とにかく容赦なくエゲつない展開
多様な人間ドラマ、泣かせるストーリー、練り込まれたプロット、
この漫画の魅力は数多くあれど、一番に特徴をあげるとしたらまずこれである。
とにかくエグい。
ストーリー展開が登場人物にひたすら容赦ない。
自然界が人間に対していかに容赦がないかを漫画で体現してるかのごとく、
この漫画は登場人物に対して残酷だ。
特に冬チームの話、シェルターの話、そして夏Aチームの過去の話は壮絶の二文字。
夏Aチームの物語の最後、7人の表情を映し出した見開きは衝撃すぎて忘れらんないもん。
その分彼らの幸せな結末を早く見たいという欲求は高まるんだけどね。
だから続きが読みたくなる。
あぁ、俺も早く完結まで読みてぇなぁ。
② 5つのチームの出会いによって生まれる人間ドラマ
7SEEDSはいわゆる「群像劇」だ。
主人公は、夏Bチームのナツ→春チームの花→冬チームの新巻→夏Aチームの安吾 と、
次々に移り変わっていく。
1つのチーム内でも、夏Bチームであればナツだけが主人公というわけではなく、
7人全員にスポットライトが当たる。
つまり、7×5=35人全員が主人公、ということだ。*1
そして、最初は各チーム単独の物語がそれぞれ展開されていくが、
ストーリーが進むと、この5つのチームはやがてお互いに出会い、
新たな人間関係が構築され、より複雑な人間ドラマが生まれていく。
この、チーム単独の物語を見ていたときには想像していなかった
意外なキャラクター同士の組み合わせが、思いもよらぬ形で互いに影響し合い、
大事なことを気付かせたり、トラウマを払拭させたり、成長させたりする。
そのキャラクター同士の化学反応、人間ドラマが、7SEEDS最大の魅力の1つだ。
異なる土地でバラバラに目覚めた35人の日本人最後の生き残り。
彼らがどのように関わり合い、どのような物語を紡いでいくのか、必見だ。
③ 成長していく若者たち
「人類という種の保存」が目的なだけあって、当然ながら登場人物は皆若い。
大半が10代で、いっても20代?
そのメンバーが、現代ではありえない過酷なサバイバルを経て、
人間的に、精神的に成長していく。
内向的で元登校拒否少女だったナツはもちろん、
ナツを取り巻く夏Bチームのメンバー、
壮絶な過去を持ち人として大切なことの多くを知らずに育った夏Aチームのメンバー、
様々なトラウマを抱える春チームのメンバー、
全てのキャラクターがそれぞれ様々な要因で色々な形の成長を見せていく。
登場人物が限られていて、かつ、
現実に起こりうるかもしれない容赦ない過酷な環境に置かれているからか、
キャラクターへの感情移入は自然と他の漫画よりも強くなる。
そうして感情移入したキャラクターが成長していく姿は、読んでてグッとくる。
まとめ
容赦なくエゲつないストーリー展開、
意外な出会いが織り成す多様な人間ドラマ、
感情移入したキャラクターたちが見せる成長。
7SEEDSはとにかくショッキングな話だ。
これが少女コミックに連載されていたというのはとても信じられない。
だがその分、文句なしに面白い!!!
つべこべ言わず、一度読んでみることをおすすめする。
【この漫画を特にオススメしたい人種】
最近の漫画には刺激が足りねぇなぁと思ってる人
〜バティ漫画ランキング(青年時代編)第5位『7SEEDS』〜
*1:正確には、各チームに1人ガイド役が付いていたり、冬チームは最初から人数が少なかったりするので、35人ぴったりではないが