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【漫画】幽☆遊☆白書と私 〜普通の漫画である戸愚呂編、冨樫にしか描けない魔界編〜

幽☆遊☆白書

 

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前回、ドラゴンボールについての記事を書いたが、

ドラゴンボール同様、自分の世代なら避けて通れない漫画、

『幽☆遊☆白書』

についても、語っていきたいと思う。

 

幽☆遊☆白書は全く触れてこなかった

ドラゴンボールと違い、幽☆遊☆白書は全く触れてこなかった。

ドラゴンボールと違って、幽☆遊☆白書は見なくても特に困らなかったからである。

友だちがはしゃぐのを見て、「レイガンって何だろう?」と思っていた。

 

ただ、同世代の友人たちは全員アニメの幽白を見ていたと思う。

ウチの世代でドライブに行ったときに、車中で『微笑みの爆弾』を流すとめちゃくちゃ盛り上がる。死ぬほど盛り上がる。男子だけじゃなく女子も盛り上がる。

だから、自分では「何でみんなこの曲こんな好きなんだろ?」と思いながらも、同世代とドライブに行くときは必ずラインナップに『微笑みの爆弾』を入れていく。

 

そんなわけで自分は幽白世代にもかかわらず、最初に触れた冨樫の漫画は『HUNTER×HUNTER』である。

中1のとき、ハンターハンターの1巻を町のコンビニで立ち読みして、あまりの面白さにそのまま購入して、未だに新刊を書い続けている。

だから、友だちに「何言ってんの?HUNTER×HUNTERの作者って幽☆遊☆白書の作者だよ?」って言われたときはかなりビックリした。

 

中3のとき、さすがに自分の世代で幽白を読んでないのは一般教養としてヤバいだろと自覚し、原作を一気読みした。

近所の床屋に全巻揃っていたので、髪を切りに行くたびに数時間粘って、一気に数巻ずつ読み進めた。

 

普通の少年漫画である戸愚呂編、富樫にしか描けない魔界編

正直、最初は何が面白いのか全然わからなかった。

「普通の漫画じゃん」と思っていた。

実際、魔性使いチームと戦っているあたりはかなり普通の王道少年漫画だと思う。

飛影と蔵馬が人気あったんだろうなというのはなんとなくわかったけど、正直、なんでこれがジャンプ三大漫画と呼ばれていたのかはまるでわからなかった。

 

面白いと思ったのは魔界編に入ってから。

冨樫節全開で、魔界というファンタジーの象徴のような世界を、まるで現実に存在しているかのように、自然に、生々しく描いているのが、とにかく衝撃的で新鮮で斬新で面白かった。

 

でも、実際魔界編って人気ないよね。

まぁ、理由はわかる。

自分は完結後に、19巻で終了するって知ってる状態で読み始めた。魔界統一トーナメントが始まったときに残り2巻しかなかったから、「あぁ、このトーナメントは最後まで描かないんだな」ってわかっていた。

けど、リアルタイムで読んでいた人は、「これから長くて壮大なトーナメント編が始まるんだ…!」ってワクワクしながら読み始めたら、突然バッツリ終わってしまうんだから、そりゃ「えぇ〜!?」ってなるよな。

 

でも、あれ読んでて本気で冨樫がトーナメント描いてくれると思ってた人は読み込みが甘いよ。

言ってるじゃん樹が。「俺達はもう飽きたんだ。お前らはまた別の敵をみつけ戦い続けるがいい」って。

これは作者自身の言葉だ。「俺はもう、ドラゴンボールのようなインフレバトルから降りる」って宣言だ。

だから、冨樫が魔界統一トーナメントを本気で描くワケないんだよ。

 

そして、それがいいんだよ。

幽☆遊☆白書は。

 

 

魔界編から最終回まで

正直、幽☆遊☆白書は魔界編から最終回までが一番好き。

あの何とも言えない現実感、自然な感じ、ただよう生々しさ、そして、なんだかちょっと切ない空気感。

アレは冨樫にしか描けないよ。

暗黒武術会編の前半とか思い返すと、なんでこんな闇属性の人が、無理してあんな光属性の話を描いていたんだ!?とか思う。

 

少年漫画のお約束をことごとく無視してるのもいい。

トーナメントを思いっ切りバツッと終わらせたりね。

 

最終回はもはや芸術だよ。

あの写真一枚がはらっと部屋に落ちてくるラストシーン、たまんなく好きなんだよね。

漫画史上最も美しいラストページは、この幽白のラストシーンか、天ないの壁の落書きのどちらかだと思う。

 

 

幽☆遊☆白書、全体を通して

第一話〜暗黒武術会編前半は正直あまり好きではない。

上記のように、ホントは闇属性の人が無理して王道少年漫画描いてる感じがするから。

 

暗黒武術会後半から面白くなってくる。裏御伽チームとの戦いあたりから、冨樫特有のスタイリッシュさが出てくるようになるから。

鴉戦、武威戦、戸愚呂兄戦は面白かった。クライマックスの試合なのに、それぞれの試合をめちゃくちゃテンポよくサクッと終わらせてるのも良い。

 

仙水編はひたすら暗くてあまり好きではない。

だが、思えばこの仙水編こそが、冨樫が王道少年漫画から独自の路線へと生まれ変わる過渡期だったんじゃないかと思う。

ジョジョの第6部が、王道少年漫画である3〜5部から大人向けの芸術的哲学的な漫画である7部へと生まれ変わる過渡期であるがゆえに、イマイチ中途半端でつまらないのと同じように。

仙水編は(自分にとっては)イマイチだが、この移行期間があったからこそ、後の魔界編、レベルE、HUNTER×HUNTERが生まれたのだ。きっと。

 

で、魔界編から最終回は、先述のように最も冨樫らしくて最も好きな部分だ。

 

 

おわりに

後に『レベルE』『HUNTER×HUNTER』へ続く "冨樫節" を誕生させた漫画、『幽☆遊☆白書』。

その終盤、魔界編〜最終回は読み応え十分。

その自然さ、現実感、スタイリッシュなキャラクター同士のやり取り、生々しさ、どことなく暗くて切ない世界観、少年漫画のお約束を無視した独自の展開は、読んでて異常にクセになります。

もし読んだことがなければ、ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。

 

やっぱ冨樫は天才だよね。

休載してもいいからやめないでほしい。

何年越しでもいいから、続きを読み続けたい。