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【ネタバレ考察】ロマンシング サ・ガ2 七英雄の謎を追う

ロマンシング サ・ガ

 

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こちらの記事がアクセス数1位になったことを受けて、七英雄の謎について更に深掘りして考察してみる。

七英雄の基本情報については上記記事を参照してほしい。

 

ちなみに、今回考察する内容に、近年発表されたスマホゲーや舞台などの設定は一切入っていない。あくまで、最初に発売された、SFCロマサガ2の内容だけに焦点を当てた考察になっている。

 

 

 

まずは

自分の基本的な七英雄観は、こちらの記事が元になっている。

http://hako.g-7.ne.jp/rs2/inn/mystery.htm

ゲーム中に収集できる事実に忠実に、わかりやすく纏まった、非常に秀逸な考察である。

 

特に以下の部分。

 

ゆえに、彼ら古代人は、本来あり得べからざる「死」という現象を極度に恐れた。

この設定は非常に面白い。私たちが交通事故や病気で大切な人を失っても、ある程度割り切ることができるのは、事故や病気に襲われなくても人間はいずれ死ぬからだ。ところが、もし、『寿命による "死" 』というものが存在しなかったら…?何かが起こらなければ永遠に生き続けることが当たり前だとしたら、自分自身が事故や病気で死ぬことも、大切な人を事故や病気で失うことも、とてつもない恐怖となるに違いない。

 

彼ら5人が選ばれた理由としては、「このような無謀ともいえる命懸けの使命を引き受けるであろう人物が、血縁で結ばれた身内か、社会に不満を持ち野心旺盛なアウトサイダーぐらいしか考えられなかった」というところであろう。

ノエルほどの傑物が、なぜクジンシーやボクオーンみたいなクズ野郎と行動を共にしているのか。それについての答えがここに集約されていてとても面白い。と、同時に、ファンタジーでありながらここまで現実的で世知辛い設定を用意する当時の制作陣には脱帽する。

 

ワグナスがヤウダ地方に出陣したその理由は、「ヴァレンヌ帝国と古代人の物理的接触の切断」である。

今回あらためてこの考察記事を読み返して、素直に感心した部分がここ。七英雄のリーダーともあろうものが、なぜクジンシーやボクオーンと同じような「現代の人間に対する国攻め」などにこだわっていたのか、その理由がちゃんと説明されている。もし帝国と古代人が接触するようなことがあれば、最悪自分たちの本体の居場所が暴かれかねない。それを防ぐために、ワグナスはヤウダ地方を国ごと抑え、チカパ山に近づく者をことごとく排除できる体制を整えようとしたのだろう。

さらにこれはワグナスが浮遊城で「もう帰る」を選択したときに素直に地上に送り届けてくれるあのシュールな行動の説明にもなっている点がすごい。敵である皇帝を礼儀正しく送迎してくれるあの行動にはどのプレイヤーもド胆をぬかれただろう。しかし、ワグナスからしたら、皇帝が古代人と接触しなければそれで良いのだ。だからあのとき、「もう帰る」と答えた皇帝を素直に地上へと送ってくれたのだ。

 

 

実際にゲーム中に与えられる情報からの考察

さて、ここからは、実際にゲーム中に与えられる情報から、自分の考察を進めてみる。

実際にゲーム中に存在する情報源は以下の通り。

① オアイーブをはじめとした忘れられた町に住む古代人たち

② 沈んだ塔にいる水龍

③ スービエ本人

ひとつずつ見ていこう。

 

① オアイーブをはじめとした忘れられた町に住む古代人たち

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<古代人たちの話>

「我々は、あなたがたよりもずっと長生きをします。しかし!肉体はいつかくちはてます。その時には同化の法を使って新しい肉体を得るのです。同化の法は、我々の魂を他の肉体になじませるものです。長命なるがゆえに、我々は死を恐れました。強力なモンスターは恐ろしい敵だったのです。そのモンスターに立ち向かおうとする者がいました。ワグナスとノエルです。」

「ワグナスとノエルは同化の法を強める研究をしていました。そして、新たな力を得たのです。二人は仲間を集め、その力を分け与えました。暴れ者のダンターグ、ズル賢いボクオーン、嫌われ者のクジンシー、ワグナスのいとこスービエ、そしてノエルの妹ロックブーケ。彼らは死を恐れずモンスターに立ち向かいました。そんな彼らを七英雄と呼ぶようになったのです。」

 

<オアイーブとの会話>

皇帝『なぜ、伝承法を授けて七英雄と戦わせた?君達にとって邪魔者の七英雄を始末させようとしたのか!』

オアイーブ「七英雄は本当の英雄でした。私たちをモンスター達から守ってくれたのです。しかし、彼らの力は大きくなりすぎました。モンスターとの戦いが終わるとその力は私たちの方に向かい始めたのです。私たちは彼らを追放しました。実験中だった次元移動装置を使って、どことも知れぬ別世界へ追い払ったのです。」

皇帝『それはひどいな。七英雄が腹を立てるのも無理はないな。』

オアイーブ「私もつらかったのです。その責任を感じて、私はこの世界に残りました。あの人達がいつか帰ってくると思いましたから。」

皇帝『そして、帰ってきた。』

オアイーブ「数千年の時は彼らから英雄の心を奪いました。今の彼らは7ひきのモンスターでしかありません。私たちは彼らに殺されても仕方ありません。しかし、あなた方に罪はありません。あなた方には身を守る権利があります。ですから、その手段として伝承法をお教えしました。」

皇帝『ワグナスを倒した今なら、七英雄も考えを変えるかも知れないぞ?』

オアイーブ「今まで倒した七英雄はすべて生きてます。彼らは眠っているだけです。彼らの本体はどこかに隠されていて、それが破壊されないかぎり本当に死ぬことはないのです。それが彼らの強みなのです。もちろん、力をたくわえるためにしばらく眠らなければなりませんが。」

 

この話を聞く限り、少なくともオアイーブ自身は、「七英雄の力が自分たちに向きはじめた」と明確に感じており、七英雄を「意図的に」追放したということがわかる。オアイーブの意見や感情がどの程度、当時の古代人たちの総意かはわからないが、少なくとも一定数は七英雄の存在に危機感を抱いており、明確に悪意を持って七英雄を追放した派閥もいた、ということになる。

 

 

サグザーについて

ここで気になるのはサグザーの存在である。サグザーの基本情報は以下の通り。

① ノエルの友人である

② ノエルと親しく会話をしている

③ 古代人なのに、忘れられた町におらずに、移動湖に住んでいる

④ 目の前でノエルを倒されても平然としている

以上、特に②と③を考えると、彼は当時七英雄を擁護していた派閥の人間なのではないか。だからオアイーブたちとは敵対しており、ノエルに協力的である、と。(④については、七英雄が本体を倒されない限り死なないということを知っていると考えれば説明はつく。)

しかしそうなると不思議なのは、彼がこの世界に残った理由である。以前考察した通り、わざわざ次元転送装置を作って別世界に旅立つほどの天変地異がこれから起こるというのにこの世界に残るのは大きなリスクである。そこまでしてこの世界に残るのには相当な理由があるはずだ。オアイーブたち忘れられた町の住民は、オアイーブ本人が語っていた通り、戻ってきた七英雄を始末するという重大な任務があったから理解できるが、ノエルと親しいサグザーが残っていた理由は謎である。七英雄の熱心な支持者で、戻ってきた七英雄に協力するために残っていたと考えられなくもないが、そうなると④が謎になる。いくら本体が死なないとはいえ、目の前で明確にノエルと敵対していた皇帝に協力的な意味が全く分からなくなる。

ふと思ったんだが、そして、これが一番しっくりくるのだが、サグザーって、古代人の中でもかなりの変わり者だったんじゃないか?

「天変地異?別次元?バカらしいなぁ。俺はこの世界に残るよ。だって、俺はこの世界を、この自然を、愛しているからね。この世界と共に死ぬなら、それはそれで本望さぁ。」

こんなキャラクターだったとしたら、ノエルと親しい理由もなんとなくわかる。もしかしたら当時の社会から外れた存在だったのかもしれないし、ノエルと共に短命種の人権も尊重する立場にいたのかもしれない。ひょっとしたら、ノエルから七英雄に勧誘されていたかもしれない。でも「戦いなんて俺の趣味じゃないからさ」とか何とか言って断ったのだろう。そんな立場なら当然、七英雄追放の謀略とも無関係だろう。

 

 

② 沈んだ塔にいる水龍

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「何者…ここはお前たちの来る所ではないぞ。」

皇帝『この塔はいったいだれが、何のために作ったんだ。』

「お前たちに教えてやる義理はないが まあ良い。私も退屈していたところだ、話をしてやろう。もう何千年も前の事だが、この世界には大きな変動が訪れようとしていた。その変動から逃れるためにこれらの塔は作られたのだ。塔のまわりに術のフィールドを張りめぐらし、別の世界への道を作ろうとしたのだ。この塔での実験は成功し、まず七英雄が、そして他の者達が別の世界へと去っていった。その後世界は変動に見舞われた。ある所は砂漠に変わり、ある所は氷にうもれ、ある所は海中に沈み、そしてここは地中に沈んだのだ。この塔はもう作動しないが、私はいにしえの誓いにしばられてここを守り続けねばならないのだ。話はこれで終わりだ。」

皇帝『七英雄とこの塔の関係は?』

「…。七英雄が送り出された時、塔がうまく作動せず、七英雄は行方不明になったのだ。」

概要はオアイーブたちの話と異なるところはないが、言い方がやや引っかかる物言いをしている。「意図的に追放した」のではなく「うまく作動せず、行方不明になった」という言い方だ。ただし、その前に「…。」と言い淀んでおり、何者かによる謀略の可能性に薄々は感づいている節もある。

つまり、この水龍の反応を見る限り、七英雄の追放は、表向きは『事故』として伝えられたと推測される。この「事故」が「意図的」なものだったことはオアイーブをはじめとした一部の人間しか知らず、水龍をはじめとした塔の関係者の大部分にとっては「不幸な事故だった」ということになっている。「これ……、明らかに何らかの謀略がからんでやがるよな~…。」と、薄々感づいてはいるとしても。

七英雄の力が本当に民衆に向いていて、当時の古代人全員にとって七英雄が悪だったとしたら、計画を七英雄以外の関係者にまで「事故だった」と偽る必要はないはずである。そう考えると、やはり七英雄の見方を巡っても当時の古代人たちの間で意識の差があったのかもしれない。七英雄擁護派と七英雄排除派という二大派閥があったのか、民衆はみんな支持していて一部の政治家や貴族たちが疎ましく思っていたのか、それは定かではないが。

 

 

③ スービエ本人

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皇帝『スービエ、一体何がねらい?七英雄は何を考えているの?』

「では冥土の土産に教えてやろう。我々は世界を救った。だが救われた連中は強くなり過ぎた我々を恐れて、別の世界へ追放したのだ!数千年後、苦労して帰って来てみると、奴らも違う世界へ行ったようだ。奴らはどこへ行ったのか。探しているのさ、復讐のために!」

ここでわかるのは、少なくとも1/7のスービエは明確に復讐を考えている、ということ。

 

加えて別の七英雄であるダンターグはこうも言っている。

「ワグナスやらノエルやらは復讐を考えているようだが、」

問題は、「ワグナスとノエルは復讐を考えている」ではなく「ワグナスやらノエルやらは復讐を考えているようだ」という言い方になっていること。スービエは明確に復讐のために行動しているが、他の七英雄が全員そうかはこれだけではわからない。作中での行動を見るに、ワグナスはスービエ同様復讐を考えていそうだが、やはりノエルはそこまで復讐にこだわってはいないのではないか。

 

 

結論

やはり実際に作中の情報を振り返ってみても、以下の2つの可能性はあるように思える。

・古代人の間でも、七英雄に対する見方は意識の差があった可能性がある

七英雄の間でも、復讐に対する温度感にはかなりの差がある可能性がある

このゲームの背景設定は単純なものではなく、かつ、かなりの推測の余地が残されている。真相は決して明らかにはならないが、それがこの物語にリアリティと奥深さを持たせている。

 

 

 

おまけ

帝国と七英雄は、敵対する必要はあったのか?

彼らが現世の人間たちに興味がなく、復讐その他のために古代人を追いかけることが目的なら、帝国と協力して沈んだ塔の秘密を解明して別次元へ旅立つこともできたのではないか。実際に七英雄のそれぞれの目的は以下の通り。

・ワグナス・ノエル・スービエ・ロックブーケ → 古代人を追って別次元へ旅立つこと(それが復讐のためかどうかはそれぞれだが)

・ダンターグ → ただ強くなること(脳筋バカ)

クジンシー・ボクオーン → 現世での覇権を握る

こう見ると、現世の人類と明確に敵対しているのはクジンシーとボクオーンだけなのである。ワグナスのヤウダ侵攻も、ロックブーケのエイルネップ侵攻も、「古代人を追う」という目的のための手段に過ぎない。目的を遂げられるならばヤウダやエイルネップとの和解も可能なのだ。現にノエルがそうしたように。侵攻そのものが明確な目的になっているのは、クジンシーとボクオーンの2名のみである。

つまり、七英雄クジンシーとボクオーンの2人のせいで帝国と敵対し、そして滅ぼされたということだ。あんなクズ2人のせいで。あぁ、勿体ない。帝国の武力と支配力を考えれば、帝国と七英雄が協力して沈んだ塔の秘密を解明して別次元へ旅立たせるなんて容易にできただろうに。まぁ、帝国の武力と支配力は、七英雄の抹殺を目論むオアイーブが伝承法を授けたことによってもたらされたものだから、どのみち七英雄と帝国は敵対する運命だったんだろうけど。

七英雄クジンシーとボクオーンを抑え込むことを条件に協力を申し出てオアイーブを裏切り、ノエルたちと一緒に沈んだ塔の秘密を解明して七英雄を旅立たせる。そんなアナザーストーリーもちょっと見てみたいな。

 

 

ロマンシング サ・ガ2

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