Mr.Children
友人がこんなブログを書いて送ってくれた。
ミスチル愛に溢れた素晴らしい記事である。
かねてより自分もミスチルの大ファンである。
なんせ一般人だもの。Mr.スタンダードだもの。そりゃあハマるさ。高校生の時は ガチで丸3年間、音楽はほぼミスチルしか聴かなかった ほどのミスチル狂でした。
HOME以降のアルバムは買ってないし、最近は離れてるから最近のシングルはわからないけど、シフクノオトまでのイントロクイズだったら今でもそうそう簡単には負けないんじゃないかな。
そんな自分がミスチルの中でもトップクラスに好きな曲の一つ
「光の射す方へ」
その曲に対する記事を友人が書いてくれたので、せっかくだからそれに対するアンサー記事を書いてみたいと思う。
今日の記事は120%、一ファンによる妄想と憶測でできていますので、悪しからず。
デキレースの勝者は誰か
友人の記事は概ね素晴らしい記事で、「なるほどなー。」と思いながら読んでいたのだが、一箇所だけ、自分の見解を述べたい場所があった。
デキレースでもって 勝敗がついたって
拍手を送るべき ウィナーは存在しないここからわかるのは、桜井さんが
「デキレースで負けた経験」があるということだろう。
この部分。
自分は、桜井さんが持っているのは、デキレースで負けた経験ではなく、
「デキレースで "勝った" 」経験なのではないかと思う。
「光の射す方へ」は、活動休止期間直後のシングル
今の若い人はもしかしたら知らないかもしれないけど、ミスチルは1997年、人気絶頂の最中、突然活動休止を発表したのである。
当時は『ミスチル現象』と呼ばれるほど、街中ではミスチルの曲しか流れないくらいの、今だって人気のミスチルが今とは比較にならないほど大人気だった時期である。そんな最中の活動休止宣言だったから、それはそれは日本中に衝撃を与えた。
結果としてこの活動休止は1年半ほどで明けるわけだけど、活動休止宣言をした時点ではいつ活動再開するかも未定だったし、そもそも二度と活動再開しないかもしれなかったから、「ミスチル解散か!?」というムードでファンにとっては絶望的な時期だった。
原因は憶測でしかないが、まぁ、売れ過ぎたミスチルが(というかおそらく桜井さんが)感じていた「成功者の孤独と虚しさ」のようなものだったのは想像に難くない。
それは、活動休止直前に発売されたシングル「花」や「マシンガンをぶっ放せ」にみられる、ニヒリズム溢れる曲調にも表れている。
「花」なんて副題が「-Mémento-Mori-」だからね。死を想っちゃってるからね。
「音楽で天下取ったるで!」と、がむしゃらにやってきて、売れたいと思い、売れる曲を書いてきた。その結果、頂点に立つことができたけど、そこではプライベートは全て奪われ、近づいてくるたくさんの汚い大人たちに辟易し、疲れ切ってしまった。
その苦悩の末の活動休止だったんじゃないかと、一ファンとしては想像してしまう。
そんな活動休止が明け、ミスチルが晴れて活動再開した直後の時期のシングルが納められたアルバムが、名盤「DISCOVERY」だ。
そこに収録されているのが、「ニシエヒガシエ」「終わりなき旅」「I'll be」そして「光の射す方へ」である。
何にも縛られずに、自由に、自分の好きな曲を
活動休止前のミスチルの曲は、「CROSS ROAD」完成直後の桜井さんの「100万枚売れる曲ができた!」という叫びからもわかる通り、とにかく売れる曲を、ヒットする曲をと、がむしゃらに書かれた曲だ。
売れたい、天下を取りたい、そんな野心にギラギラしているこの頃の曲は、とてもエネルギッシュで、情熱に溢れていて、パワーがあって、とても好きだ。
対して、「しるし」以降の曲は、世界や人々に対する感謝の気持ちからなのか、優しさに溢れた曲が多い。「みんなの期待に応えたい」という想いからなのか、人々が「Mr.Children」に求めるものに沿うような楽曲が多い気がする。
活動休止前と「しるし」以降は、共に「売れる曲」を書いている。その理由は "野心" と "感謝" という正反対のものだけれど、人々がミスチルに求めているものに応えているという点では同じだ。
それに対して、活動再開直後から「フェイク」あたりまでは、本当に、世界も社会も人々も全て忘れて、純粋に自分たちの書きたいものを、自分の好きな曲を、という印象を強く受ける。
誰にも、何にも、縛られずに、自由に、自分の好きなことを、自分の感じたことを。
それは多分、絶頂の喧騒を抜けて過ごした活動休止期間に桜井さんが気付いた、本当に大切なものなんだと思う。
いや、活動休止期間だけじゃない。トップを目指してがむしゃらに走り抜けた時期、成功者の孤独と虚しさに絶望した時期、そして活動を休止して立ち止まって世界と自分を見つめ直した時期、全てがあって気付けたものなんだろう。
だから自分は、この時期のミスチルが一番好き。
そして、「DISCOVERY」のアルバムが一番好きなんだ。
アレが一番、何にも縛られていない Mr.Children を聴ける気がするから。
最高の名盤です。
拍手を送るべきウィナーになれたのか
ミスチルの成功がデキレースなんかじゃないことは誰もがわかっている。
だけど、必要以上に持て囃され、成功者の虚しさを感じた桜井さんは、自分たちの成功をデキレースでの勝利のように虚しいものに感じてしまっていたんじゃないだろうか。
自分たちは拍手を送るべきウィナーなんかじゃないと。
成功者が必ずブチ当たる壁、「本当の成功とはなんなのか」。
それは多分、売れることでも、一番になることでもない。
ただ、一度、本気で売れるために、一番になるために頑張った人じゃないと、その壁は超えられないんじゃないかとも思う。
売れるために走り、絶望を味わい、自分たちの心の思うままに動き、そして今、人々のために優しい歌を歌っている。
Mr.Childrenは今、拍手を送るべきウィナーになれたんだろうか。
本当のところは誰にもわからないけど、ふと街なかで流れている、ミスチルの最新曲を聴くと、きっと、なれたんじゃないかなぁ、と思う。
全ては、一ファンによる妄想と憶測に過ぎないけどね。
追記:
さらに別の友人が、「光の射す方へ」について語ってくれました。
これは名文!!!!!