鬼滅の刃
鬼滅の刃の空前の大ヒットを受けて、こりゃジャンプで第一話から毎週読んでる身としては、触れないワケにはいかないなと思い、今更ながらヒットの要因などを考察して記事にしようと思ったのだ。
ところが、個人的には鬼滅の刃がなぜこれほどまでにヒットしたのかが、全くわからなかった。
A級ヒットした理由はわかるが、S級ヒットした理由がわからない
いや、毎週ジャンプ感想で鬼滅の刃面白い面白いって連呼している通り、好きだし、面白いとは思っているんだよ?
ただ、それはあくまで玄人受けする魅力であり、ヒットするとしても「ワールドトリガー」や「火ノ丸相撲」くらいのA級ヒットであり、「ワンピース」や「進撃の巨人」クラスのS級ヒットをすることは決してない、と思っていた。
ところが、今や普段マンガなんて読まない道ゆく女子高生すら「鬼滅の刃」を知っているレベルだ。
社会現象と呼ばれているこの状態は、間違いなく「ワンピース」や「進撃の巨人」と肩を並べる S級ヒット と呼んで差し支えないだろう。
A級ヒット…漫画が趣味と公言するくらいの漫画好きなら大抵読んでいる、そこそこ漫画を読む人なら名前くらいは知っている、けど、漫画を読まない人は名前も知らないレベルのヒット。
S級ヒット…普段漫画を読まない人ですら名前を知っているし、なんなら読んでたりアニメを見たりで中身まで知ってるレベルのヒット。社会現象などと呼ばれ、ブランチやヒルナンデスなどのテレビ番組でも頻繁に取り上げられる。
やっぱり原因はソレですよね
鬼滅の刃がA級ヒットをした要因ならいくらでも出てくるんだけど、S級ヒットをした要因がどうしても思いつかなくて、周りに軽くアンケートをとってみると、こんな意見が多数寄せられた。
「アニメでハマった」
「アニメ化の力が大きいと思う」
「アニメが神クオリティ!!」
「俺も最近アニメ見てハマった!」
「原作はジャンプでずっと読んでて絵が苦手で好きじゃなかったけど、アニメ見てから漫画好きになった」
うん。
薄々勘付いてたというか、
半分わかってたけど、
やっぱアニメだよね。
アニメはまだ3話までしか見てないけど、めちゃくちゃクオリティ高くて、こりゃ相当気合い入れて作ってんなってのはわかってた。
ただ、あくまで漫画を読んだことなくて話を知らない層を取り込むのに有力だっただけだと思ってたんだよね。既に読んだことある層から、「元々好きだったけどアニメ見て更に好きになった!」もしくは「漫画読んだときは好きじゃなかったのにアニメ見たらハマった!」って声がこんなに多く上がるとは正直予想外だった。
どうやら終盤が相当良いらしい。特に19話が神がかっているという話を友人や妹から熱く語られた。終盤というと累君と戦うあたりか。原作でもあそこは中々良かったが、そこまで言うなら見るしかないな。原作の筋を知っていても、面白いらしいし。
というワケで、まずはアニメを視聴することが決定しました。
ヒットの理由など詳細な考察記事は、また全話視聴した後に。
原作「鬼滅の刃」の魅力
原作「鬼滅の刃」の魅力については、こちらのブログが自分の言いたいことを全て代弁してくれているので、正直こちらを見ていただきたい。
要約すると、原作「鬼滅の刃」の魅力は2つ。
・「切なさの爆弾」
・「独特のシュールな台詞回し」
の2つにあるということ。
で、両方の魅力に共通するポイントなんだけど、とにかくこの漫画、言葉の使い方 が上手いんだよね。
鬼滅の刃はなかなかに切ない展開が多いんだけど、プロット自体は特に目新しいものではなく、少年漫画としてはよくある展開にすぎない。にもかかわらず、こんなに感情移入できて、切なさを感じることができるのは、モノローグが一編の詩のように心地よいテンポと言葉で書かれているからだ。
終盤、猗窩座という悪役が悲しい過去を持っていることが語られるシーン がある。悪役が実は悲しい過去を背負っていること自体はよくあることだし、その内容自体もかなり胸を抉られるものではあったけどまぁ他の漫画で見たことがあるようなストーリーだった。
ただ、猗窩座が語るモノローグの語り口調がめちゃくちゃ切なくて、それが心にストレートに響いてきて、読んでて泣いてしまった。
モノローグだけじゃなく台詞も同じだ。産屋敷様が不死川にかける言葉 とか、内容も素晴らしいんだけど、声に出して読んでみると、とてもリズムというかテンポが心地よくて、心に優しく響いてくることがわかる。
この漫画はモノローグや台詞を書くときに、こういう心に響くリズムとテンポの作り方と言葉のチョイスが素晴らしい。
この技術がギャグ方面に用いられると一転してシュールで面白い台詞が生まれてくる。
作者が狙ってやってるんだか笑わせるつもりはないけどギャグになってしまっているんだかわからない独特の台詞回しは、確かに魅力的だ。
これも、他の漫画にはない、心地よいリズムとテンポの生み出し方と、独特の言葉のチョイスが成せる業だろう。
自分と「鬼滅の刃」
上記のブログの方と同様、自分も第1話を読んだときは「このマンガ打ち切られるだろうなー」と思っていた。
「完成度が高くて良い漫画だけど、暗くて絶対にジャンプではウケないだろうな」と。
ちなみに過去2回、鬼滅の刃と同じように、
「あー、俺は好きだけど、このマンガ打ち切られるだろうなー、俺は好きだけど」
という感想を抱いた第1話がある。
「銀魂」と「ワールドトリガー」だ。
どちらも大ヒットしている。特に銀魂は10週打ち切りをスレスレで回避した後の逆転大ヒットだ。鬼滅の刃とワールドトリガーも、もしかしたらそうだったのかもしれない。意外と「自分は好きだけど」と思うものって、世間の人も同じように感じるものなのだ。
とはいえ、客観的に良質な漫画だとは感じたけど、特に好きな漫画というワケではなかった。
累君と戦うあたりで自分がいつも読んでる辛口ジャンプ批評家たちがことごとく絶賛しはじめたので注目していると、無限列車編で少年漫画としても面白く読みやすくなり、吉原遊郭編で面白さが爆発した。
自分がハッキリと鬼滅の刃を好きになったのはこの吉原遊郭編からだ。宇髄 天元 がとにかくカッコいい!アニメでは未登場のはずなのでアニメ勢は登場を楽しみにしていてほしい。
「竈門炭治郎 お前に感謝する!!」
は、めちゃくちゃ好きな台詞。
戦いのクライマックスで出てくる台詞がこれっていうセンスが鬼滅の刃らしくてたまらん。
一兵卒である炭治郎が認められた瞬間であること、炭治郎がこの一瞬に成したことの功績の大きさ、格下の相手であっても相応の仕事をすればきっちりと敬意を示す天元の人柄の良さが、この一言に凝縮されていて、とてもいい台詞だと思っている。
まとめ
こんな風に、ずっと読んできたから原作の魅力はある程度語ることはできるけれど、このヒットの要因を説明したいのならば、やはりアニメの視聴は不可欠だろう。
何より単純に面白いということなので、そりゃ見るしかないでしょ。
というワケで、全26話を視聴したら、また感想か考察の記事を書こうと思います。
それではまた!