にわかじこみの一般人。

おすすめの漫画・ゲーム・映画などをわかりやすく紹介していきます。

【コラム】ジャンプと私

週刊少年ジャンプ

 

f:id:wagcus:20191020214921j:plain

 

ジャンプを最初に読んだのは、一体いつだっただろうか。

 

自分の中にある一番古い記憶は、町の小さな医院の待合室で「ジョジョの奇妙な冒険」の "マン・イン・ザ・ミラー 編 " を 読んでいる情景だ。調べてみるとジョジョの第5部が連載開始されたのは'95年末の出来事だから、あれは小学校高学年頃の記憶ということになる。

 

その後、中学3年間も、「SLAM DUNK」の熱狂的なファンだったし、「ONE PIECE」「HUNTER×HUNTER」「封神演義」のコミックスを毎巻買い揃えてはいたが、『週刊少年ジャンプ』そのものを読む機会はほとんどなかった。

住んでいる町が田舎すぎて、立ち読みできるようなコンビニが全くなかったのだ。

 

高校に入ってようやく、さすがに通学路上に幾つもコンビニがある道を通うことになり、『ジャンプ』を立ち読みするのは毎週火曜の恒例のひそかな楽しみになっていった。(そう、当時はジャンプは月曜ではなく火曜の発売だったのだ)

当時は「ONE PIECE」「NARUTO」「BLEACH」の3大漫画がちょうど脂が乗り始めた時期で、新たな3枚看板を筆頭に再びジャンプが勢いを取り戻しつつある時代だった。

 

高校3年生になると、クラスの誰かが買ってきたジャンプが、教室内を1日かけてぐるぐると回るようになり、私も順番を待って授業中に机の下で目当ての漫画を「おい、早くしろよ」と後ろから突つかれながら読んでいた。

読み終わったら、今の「ONE PIECE」の展開について熱く議論を交わすのが恒例行事となり、受験で東京に遠征した折などは、離れた仲間にメールで今週の空島編の感想なんかを送り合ったりもしていた。

空島バトルロワイヤルでシュラがバイパーに一撃で倒され、「残り49人」の引きが出たときの友人との盛り上がりようは、今でも鮮明に覚えている。

 

受験期間のどこかで何ヶ月間か、勉強に集中するためと称してジャンプを読むのを禁止にしてみた時期があったのだが、あまり意味がなかったので、浪人時代は逆にジャンプは欠かさず読むようにしていた。

ただ、その頃になると「BLEACH」を筆頭に、連載作品の多くがかなりつまらなくなっていたので、読む作品は「アイシールド21」「銀魂」など、かなり数を絞って読んでいた。どの漫画かは忘れたが『6つ』という数だけはなぜか覚えている。この年は読む漫画を6つだけに絞って読んでいた。

 

大学に入って、サークルに命を懸けるようになり、授業にも行かず睡眠時間さえも削って様々な活動をしていたにもかかわらず、ジャンプの立ち読みだけは毎週欠かさず行なっていた。

追い込みの修羅場の時期に、分刻みの凄まじいタイトスケジュールの合間を縫ってコンビニに立ち寄り、ジャンプを立ち読みする男2人を、仲間の女の子が呆れた目で眺めていたのを今でも覚えている。ただ、どんなに忙しかろうとこのルーティーンだけは欠かさないというのは、自分や友人の間での暗黙の了解だった。

今考えると、どんなブラック企業よりも凄まじい生活を送っていたのに、そのルーティーンを欠かさなかったのはすごい。それだけ体に染み付いた習慣だったんだろうなぁと思う。

サークルに命を懸けていた2年半は、一生涯に匹敵するほどに長い時間に感じられたにもかかわらず、その間に「ONE PIECE」のエニエス・ロビー編が終わらなかったのは驚いた。自分たちが入部する前にウォーターセブン編が始まったのに、引退する頃にもエニエス・ロビーを脱出しなかったんだから。

 

サークルを引退して数年後、大学院生時代に忘れられないのが、「ONE PIECE」の全盛期、マリンフォード編だ。頂上戦争の盛り上がりの最高潮に合わせて、あの映画「STRONG WORLD」が公開され、世間でのワンピース熱がものすごいことになっていたあの時期。

私も毎週ジャンプを読みながら、サークル時代も修羅場の中で肩を並べてジャンプを読み続けた親友と「今週のワンピースがヤバい」「ていうか今の世間のワンピースに対する盛り上がりがヤバい」という話で毎週盛り上がった。

 

その後、社会人になっても、相変わらずコンビニで立ち読みしていたのだが、ある日、「週にたった200円なんだから、買って電車の中で読んだ方が良くないか…?」と気付いてしまった。そのときから、今日まで数年間、毎週欠かさず『ジャンプ』をきちんと購入している。

学生のときは月に1000円近い出費はかなり痛手だ。対して時間はいくらでもあるし、体力もある。だが、社会人になるとジュースを買うような金額は全く問題にならなくなるし、逆にコンビニに30分近く留まっている時間が惜しくなる。何より、30分近く立ちっぱなしで漫画を読むのがきつくなってくるのだ。

この価値観転換は、大人になる上で誰もが通る道だと思う。

その頃連載されていた作品は「SKET DANCE」「めだかボックス」「トリコ」など。

 

そういえば、最近は "立ち読み" という文化自体がなくなりつつあるのだろうか。コンビニで立ち読みをしている人自体を、あまり見かけなくなった気がする。それとも東京という土地柄が立ち読みが少ないだけで、地方に行けば相変わらず立ち読みしている人は沢山いるのだろうか。

 

ジャンプの発売が火曜ではなく月曜になっていたのも、社会人的にはありがたかった。

マガジンでもサンデーでもなく『ジャンプ』を買う理由は、ジャンプが月曜日に出ているから、というのも大きかった。月曜日の「会社行きたくねぇなぁ」という気持ちが、「でも、ジャンプ読めるしなぁ」という気持ちで少し和らぐのだ。

私にとってジャンプは、ブルーマンデーの症状を緩和する中和剤だった。

 

そして、せっかくお金を出して購入しているのだから、載っている全ての漫画を読まなければと思うようになり、今まで一部の漫画に絞って読んでいたのが、全作品を漏れなく読むようになった。だから、この年以降の漫画は、短期打ち切り作品も全て覚えている。

 

ある日、人身事故か何かで停車した、ギュウギュウ詰めの満員電車の中で、いつものようにジャンプを広げて読んでいると、前にいる女性のスマホのLINEの画面が見えてしまったのだが、そこに書かれている文章を見て衝撃を受けた。

「バカが後ろでジャンプ読んでる」

「死ねばいいのに」

確かに私はその女性の後頭部に当たるような形で、満員電車の中無理矢理ジャンプを押し広げて読んでいた。メンタルが豆腐以下の硬度しかない私はその言葉にショックを受け、ジャンプをそっと鞄にしまい込んだ。

 

そうだよなぁ。考えてみれば、あんな辞書のような巨大な書物を、満員電車の中で読むって結構な迷惑だよなぁ。自分としても、あの重いものを鞄に入れたまま1日中過ごすの、結構大変だし…。

そう思った私は、とうとう電子版への移行を決意した。「やっぱり紙じゃないと…」という気持ちも若干あったのだが、ものは試しと一度購入してみると、利便性が圧倒的に優っており、そのこだわりはすぐに吹き飛んでしまった。

何より、「そこまで苦労して読みたい漫画がない」というのが一番大きな理由だった。大きな画面で読みたいとか、見開き演出はやっぱり紙じゃないとというためらいはあったものの「でも、今そこまでして読みたい漫画もないしなぁ」と思ってしまったのだ。

私にとってジャンプは、月曜の憂鬱を回避するために惰性で読むものになってしまっていた。

 

実際、この頃のジャンプは相当つまらなかったと思う。「ONE PIECE」「NARUTO」「BLEACH」の3大漫画が見る影もなくつまらなくなり、「バクマン」「SKET DANCE」「めだかボックス」が終わり、「ハイキュー」「暗殺教室」「斉木楠雄のΨ難」はまだ始まったばかり。トドメに、「ワールドトリガー」も長期休載に入ってしまったときだった。

お金を払っているからと無理矢理全部読んでいるからこそ、より一層ジャンプ全体のつまらなさばかりが目についた。そうなると楽しみ方も、「後ろの方に掲載している不人気作品がいかにつまらなくて、いつ打ち切られるか」を楽しみにするという、性格の悪い楽しみ方になっていってしまう。ネットでも自然と、そういう打ち切り作品を扱き下ろしたブログばかりを読むようになってしまっていた。

 

加えて、当時、同じ集英社から出ている『ヤングジャンプ』の連載陣の勢いが凄まじかった。「キングダム」「東京喰種」「テラフォーマーズ」といった漫画が全盛期で、それらの漫画はストーリーもさることながら、何よりも画力が素晴らしかった。

これらの漫画と比べると今のジャンプに載っている漫画が落書きにしか見えずに、なんで自分は未だにこの雑誌にこだわっているんだろうという迷いが生じ始めた。あの時期は、本気でジャンプの購読をやめようかと結構思い悩んだ。

 

だが、あれから数年、私はまだジャンプを読んでいる。

そして、ここ最近の『ジャンプ』はまた再び面白くなっている気がする。

特にブログを書き始めたこの1年間のジャンプは、惰性ではなくきちんと "楽しみにしながら" 読んでいる自分がいる。

 昨日書いた通り、「ハイキュー」「鬼滅の刃」「Dr.STONE」「アクタージュ」「約束のネバーランド」「ブラッククローバー」「僕のヒーローアカデミア」「呪術廻戦」「チェンソーマン」と、これだけのラインナップを続きを楽しみにしながら読めるというのは、なかなか素晴らしいことなのではないか。

 

気付いたら、現役受験生のときのほんの2,3ヶ月を除くと、高校生のときからもう20年近く、毎週一度も欠かさずにジャンプを読み続けている。これほど長い年月継続されているルーティーンは、私の中に他にないかもしれない。

 

そして、その20年間ずっとワンピースが連載され続けているのもすごい。この20年で「こち亀」ですら終わったのに、ワンピース以外の連載ラインナップは全て入れ替わっているのに、ワンピースだけはずっと載り続けている。これは、すごいことだ。(ハンターハンター?あれは「連載されている」とは言わない)

いつの時期も思い出は「この頃ワンピースは〇〇編だったなぁ」という記憶とセットになっている。空島編だった高校時代、エニエス・ロビー編だったサークル時代、マリンフォード編があった大学院時代。

もうこうなったら嫌いになろうとなんだろうと最後まで追いかけるしかないなぁ。もはやワンピースの結末見ずして死ねない。

 

そんな風に、変わっていく漫画、変わらない漫画、色々あるけど、今後も変わらずにジャンプを追いかけていきたい。

願わくばこれからも、平和に、健康に、『週刊少年ジャンプ』を読み続けられますように。

 

 

ONE PIECE 94 (ジャンプコミックス)

ONE PIECE 94 (ジャンプコミックス)