ジョジョの奇妙な冒険 第5部 黄金の風
先日完結した、アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 第5部 黄金の風』
第1話から最終話まで、10ヶ月間、追いかけ続けたワケだけど、
ここで振り返って総評を書いて、この10ヶ月間の締め括りにしたいと思う。
3部、4部と比較して
今回の第5部のアニメ化はとにかく最高だった!
自分が好きなのは原作で言うと 第3部>第4部>第5部 だが、
アニメだけで見たら 第5部>第3部>第4部 だ!
って言えるほど、今回のアニメ化は大成功だった。
第5部には 最終決戦がいまいち盛り上がらない という欠点があるし、
第3部の最終決戦であるDIO戦、
第4部の最終決戦である吉良戦、特に 川尻早人 vs. 吉良吉影 のパート は、
神掛かって素晴らしいクオリティだったから、
瞬間最大風速でいったらその2戦が最強になるけど、
それらを除いて全体で見たときは、今回の第5部が全体的に最もクオリティが高かったし、一番面白かった。
第3部のアニメ化も素晴らしかったけど、忠実に忠実に忠実に原作を完全に再現する姿勢は、第5部の原作をしっかり大事にしつつも入れるべきところには大胆にオリジナルを入れてきた姿勢と比べると、「腫れ物に触るようなアニメ化だった」と少し感じてしまうほど、第5部制作陣の挑戦心は素晴らしかった。
第4部は吉良吉影関連のエピソードは全く問題なかった、どころか過去最高に素晴らしいアニメ化だったけど、それ以外の対戦の幾つかが大きく省略されてしまって魅力が損なわれてしまったのは残念だった。特に「ジャンケン小僧」や「シンデレラ」のエピソードは今思い出しても悔やまれる。対して、第5部はほぼ全エピソード原作以上の魅力を引き出してくれた(残念だったのは第22話くらいか)。
とにかく、基本は原作を忠実に再現しつつも、必要だと思ったところには大胆にアレンジを入れ、その上で全てのエピソードにおいて原作以上の魅力を引き出してくれた今回のアニメ化は、本当に大成功だった!
アニメスタッフの、「絶対に素晴らしいものにしてやるッ!」という執念と覚悟とスゴ味が、全39話の全てからビンビン伝わってきた。本当に魂のアニメだよ。凄すぎる。
アニメ映えする第5部
さて、そんな第5部のアニメ化だけど、十分素晴らしかった第3部、第4部のアニメ化に輪をかけて、更に素晴らしいものになったのはなぜか。
それはひとえに製作陣の情熱もあるけれども、3部4部にはなくて第5部にだけ存在する「あるもの」が、今回の成功につながった、と自分は思っている。
キーワードはズバリ アニメ映え
全39話の感想の中でも何度も使ってきたこの『アニメ映え』という言葉。
この言葉を、自分は「原作時にはあまり面白くなかったもしくは普通だった点が、アニメになると面白くなること」もしくは「原作時にも面白かった点がアニメになると更に面白くなること」という意味で使っていた。
アニメ化し、動き、色、声、音楽が付くことで、原作よりもさらに面白くなった!
第5部にはそうなる要因が、3部4部よりもずっと多かった。
アニメ映え要因 その①:乗り物バトルによるスピード感!
第5部は3部4部と比較してスピード感のあるバトルがとにかく多かった!
その要因は様々あるけど、最大の要因が「乗り物」上でのバトルが多かったこと。
ケーブルカー、クルーザー、トラック、特急列車、車、飛行機、ヘリコプター、
第5部は疾走している乗り物上でのバトルがとにかく多い!
ついでに言うと、味方内のスタンドの一つは乗り物そのものだ。エアロスミスは当然普通の人型スタンドよりビュンビュン動き回る。
そういえばミスタの「弾丸」も、同じ理由で5部の「スピード感」をアップさせることに一役買ってるな。ミスタの発砲シーンが多かったことも、5部がアニメ映えする要因の一つかもしれない。
とにかく乗り物上でのバトルが多いなどの理由で、第5部にはスピード感のあるバトルが多い。
こういったスピード感のあるバトルは、アニメ化すると「動き」と「時間」が付くため、原作より更に面白くなったり、原作では気付かなかった面白さに気付きやすくなったりする。
更に言うと、乗り物内でのバトルは必然的に限られた空間内での戦いになるので、閉塞感 とそれによる 緊張感 も出すことができる。
特にギアッチョ戦のカーチェイスは凄かったな。
未だにこれを見て鳥肌立ちまくったことは忘れられない。
アニメ映え要因 その①:最後まで目の光を失わない敵との決着シーン
第5部最大の魅力は味方も 敵も カッコいいこと!
これは原作のときからわかっていたことだけど、これによって、3部4部では「ただ単に気に入らなかった悪者をボコボコにしてスカッとするシーン」だった 勝利用BGMシーン が、「西部劇の早撃ち対決のような、最後まで緊張感が失われない鳥肌シーン」に進化したのは、自分にとっては想定外の変化だった。
特に今回の勝利用BGMはめちゃくちゃカッコよくて、かつ5部のイメージにピッタリだったから、これが流れる決着シーンが毎回面白かったのは本当に魅力的だった!
今までの敵って金で雇われたゴロツキとか普通の住宅街の住人だったから、決着シーンではすでに情けない姿を晒しているかヤケになってるか、そういうパターンが多かったんだよね。
ところが今回の5部は味方も敵もマフィア。アマチュアではなく命のやり取りのプロフェッショナル。だから戦いに赴いた時点で既に死ぬ覚悟をしてきているし、だから追い詰められても最後の最後まで目の光を失わない。
そんな目をギラつかせた2人が対峙し、早撃ちのようにスタンドを繰り出し合う決着シーンが、アニメになって面白くないわけがないよ!
特にナランチャとギアッチョの炎の決着はカッコよかった。
リアルタイムで見たとき「これラストバトル?」と思ったもんな。
アニメ映え要因 その③:複雑なスタンド能力
第5部は3部4部と比較して、ますます複雑な能力が数多く登場している。
そしてこれが、アニメで見るとすごくわかりやすくなっている。
原作時には文字を読んで頭を使って理解しなければいけなかった能力が、視覚的に一発でわかるようになっている。
そしてそうなると、余計なところに頭を使わなくていいから、そのスタンドの怖さや強さに、素直に没入できるようになる。そうすると、ひいてはストーリーそのものに原作のときよりスッと感情移入できるようになる。
これは思いの外大きな効果だった。特に、5部のバトルのスピード感を楽しむために、いちいち特定のページで立ち止まらなくていいのは良い。
ついでにいうと、これは敵の能力が判明した後だけじゃなくて、敵の能力が判明する前から 効果を発揮するのも良かった。
ジョジョでは、新しい敵と出会ったとき、何かしら「奇妙な」出来事が起こるもんだけど、原作ではまずこの時点で「何が起こったか」がわかりにくかったりする。そういった場面が、アニメではすごいわかりやすくなっていたから、前半の ホラー描写 がものすごく力を発揮するようになっていた。
特にキング・クリムゾンの能力のアニメ化は素晴らしかったな。
アニメになることを想定して作られた能力だったんじゃないか?と思うくらい。
アニメ映え要因 その④:風光明媚なイタリアの風景
そして最後は、なんといっても舞台が イタリア であることでしょうよ!
白黒ではわからなかった「イタリア」というロケーションの魅力!
色だけじゃない、線も綺麗になり、大画面になったことで、イタリアの観光名所を回りまくる第5部の魅力が最大限引き出されていた。
なんてことない街並みが、空と海と緑が、素晴らしく美しい国、イタリア。その最高のロケーションの中で繰り広げられるバトルが、5部の最大の良さの一つであることは間違いない!
原作では日本語の文字だったところが全てイタリア語に直っていたのも、このアニメ映えに一役買っていたね。あの改変はディ・モールト・ベネ。「水着はビキニなんだ!オレの下はスタンド!だ。」がカットされてしまったことを除けば…(泣
特にポンペイでのバトルは良かった。
ポンペイってあんなに綺麗なところなんだって、アニメになって初めて知ったよ。
まとめ
以上、細かく言うと多分まだまだアニメ映え要因はたくさんあるけど、
とにかくこういった要因と、スタッフの情熱によって、3部4部よりもさらに素晴らしいアニメ化となった第5部、黄金の風。
いやぁ、幸せな10ヶ月間でした。
第6部のアニメがあるかどうかという話を始めると、また違う話題になってしまうので、ここではやめときましょう。
とにかく第5部のアニメは素晴らしかった。
制作陣に感謝。
そして今日までブログをお読み頂いた皆様にも感謝です。
ブログ自体はまだまだ続きますが、「ジョジョの奇妙な冒険_第5部_黄金の風_アニメ_感想」というカテゴリについてはこれにて完結となります。
ご愛読、ありがとうございました。
さてさて、今後もまた、様々な名作の素晴らしいアニメ化が実現するといいですね。
そうなることを願って、また明日から真実に向かっていきましょう。
アリーヴェ・デルチ!
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