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【ドラマ】古畑任三郎 の 好きなエピソードについて語る

任三郎

 

「これまで私が関わってきた多くの犯罪者たち。彼らに共通しているのは、誰一人逮捕の瞬間、悪あがきをしなかったと言うこと。彼らは犯行を認めた後、進んで自供してくれました。誇り高き殺人者。そして、それが私の自慢でもあるのです」

 

『今、甦る

古畑任三郎ファイナル(第40回) Guest:藤原竜也/石坂浩二

古畑任三郎の最高傑作にして最大の邪道作品。古畑好きの中には、俺のように「この作品こそ最高傑作だ!」と持て囃す人もいれば、「こんなのは古畑任三郎じゃない!」と憤る人もいるだろう。でも、俺は好き。だって面白いんだもん。

問題はこのエピソードが、「古畑任三郎というドラマをよく知っている人」を騙すための作品だということだ。だが、ルールは破っていない。ルールを破らずに視聴者を欺いてくるのがこのエピソードの凄いところ。詳しくはネタバレになるから避けるが、最後のどんでん返しにはシリーズで一番驚くことは間違いない。それを「おぉーっ!!」と思うか、「え~っ?」と思うかは人それぞれだろうが。

一番オススメのエピソードだけど、一番最初に見ることはオススメしない。他のエピソードを幾つか見て、『古畑任三郎』の "お約束" がわかってきたら、ぜひ見てみてほしい。

 

 

3rd season(第32回) Guest:津川雅彦

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ミステリーとしてはとても珍しい、事件が未然に防がれるという異色回。本編で古畑が語っている通り、いつも殺人事件が起こった後で現場に現れる刑事にとって、「事件を未然に防ぐ」ということはまさに悲願。その悲願を達成するため、そして何より古い友人のために、全力を尽くす古畑の姿はシリーズ屈指の見ごたえ。

最後の古畑の演説はすごい心に響く。「よろしいですか?よろしいですか?たとえ、たとえですね、明日死ぬとしても、やり直しちゃいけないって誰が決めたんですか?…誰が決めたんですか?」は、シリーズ最高の名言の一つ。

 

 

『動機の定』

2nd season(第20回) Guest:澤村藤十郎

「物の価値」がメインテーマとなった作品。視聴者にも、そして古畑にも解けなかった、作中で犯人がとった "ある行動" に対する『謎』。それに対する衝撃の真相が犯人の口から語られるシーンは、俺が古畑任三郎で最も好きな場面の一つ。なんなら、今も普通に生きている中で、物の価値というものを考えるとき、この春峯堂のご主人の言葉を思い出すことがある。

「物の価値というものは、そういうもんなんですよ。古畑さん。」

 

 

『ニューヨークでの来事』

2nd season(第23回) Guest:鈴木保奈美

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全編、古畑と鈴木保奈美演じるのり子のバスの中の会話だけで話が進むという、シリーズの中でも一風変わった作品。いわゆる安楽椅子探偵(アームチェアディテクティブ)*1。犯行の様子や犯人以外の登場人物は一切映像でうつることはなく、のり子の話の中だけで事件は語られていく。今目の前で起こった事件ではなく、既に時効を迎えた昔の事件を振り返る話というのも、他のエピソードとは大きく異なる点。

話を聞いただけで事件を解決してしまう古畑の推理も見事だけど、何よりバスの中で淡々と昔話を続ける田村正和と鈴木保奈美のやり取りがとても雰囲気がよくて、動きのないエピソードなのに他のどの話よりも引き込まれてしまう。まさに、2nd season のラスト・エピソードにふさわしい作品。

あと、2人の後ろで進む今泉君のドラマも地味に面白くて好きw。

 

 

く死体』

1st season(第2回) Guest:堺正章

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見所は2つ。一つは、古畑に懐中電灯の罠を仕掛けられたときの堺正章の「あのやろおぉぉ~~~~~っ!!」の名演。そしてもう一つは、「犯人はなぜお茶漬けを食べたのか?」という、一見本筋とは関係ない、だけど大きな疑問。

第2話にして、「大物俳優ゲストの演技力をふんだんに使った犯人の名演技」と「単なる謎解きドラマではない犯人の人物造詣の深さ」という、古畑任三郎を象徴する2つの魅力を一気に見せてきた名エピソード。

古畑のドラマとは、犯人のドラマである。このエピソードは、まさにそれを象徴する作品。

 

 

わない女』

2nd season(第15回) Guest:沢口靖子

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このエピソードが特別なのは、「動機は何か?」という点が、視聴者にとっても謎に包まれているというところ。その謎は解決篇で明らかになるわけだが、その動機に幼い頃の自分はとても衝撃を受けたのを覚えている。「女性の本能とは何なのか」を象徴したこのエピソードは、今でも人生の中で男女の差異や女心の話になったときに、思い出すことが多い。女性が見たらはたしてどういう感想を抱くのか、ぜひ見てみてほしいエピソードでもある。

犯人が「自分のルール」の中で殺人を犯し、刑事との対決を切り抜けていくというのも、このエピソードならではの見所。敬虔に戒律を守り抜く笑わない女を、若き日の沢口靖子が見事に演じ切る。

 

 

『古任三郎 vs SMAP』

古畑任三郎スペシャル(第26回) Guest:SMAP

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SMAPが本人役で出演するという、おそらく古畑をよく知らない人にも最も知名度の高い有名エピソード。

固い絆で結ばれている上にチームワーク抜群な5人の犯人という、おそらくこの設定でしか成しえないであろう特殊な犯人たちが仕掛けるトリックと、その犯人たちのアリバイを小さな綻びからドミノ倒しのようにバタバタと連鎖的に崩していく古畑の推理シーンは、SMAPがゲストという豪華さを除いて普通にミステリーとして見た場合も、シリーズでも最高クラスに見応え十分。「再会」「動機の鑑定」「ニューヨークでの出来事」「動く死体」「笑わない女」は、どちらかというとミステリーとしてというよりは犯人の人間ドラマとして好きなエピソードだが、この「vs SMAP」は純粋にトリックや推理などのミステリーとして好きなエピソードだ。

そして何より今見て驚くのは、戸田恵子が演じるマネージャーがまんまあの人だってことだ!「5人が幼い頃から見守ってきた母親のようなマネージャー」なんて、フィックションの中だけでの設定だと思っていたのに、まさか実在の人物がモデルだったとは…。SMAPの解散事件で飯島女史の名を知ったときに、16年越しに真っ先にこのドラマを思い出した人は、俺だけじゃないはずだ。

 

 

その他、印象深いエピソード

1st 第11回『さよなら、DJ』(桃井かおり)

桃井かおりの演技が素晴らしい。

 

2nd 第14回『しゃべりすぎた男』(明石家さんま)

古畑とさんまの法廷での長台詞対決は必見。

 

2nd 第19回『VSクイズ王』(唐沢寿明)

解決篇を見たら思わず巻き戻して見返してしまう、映像ならではの見事な仕掛け。

 

2nd 第22回『間違えられた男』(風間杜夫)

どんどん追い詰められていく風間杜夫がとにかく見てて笑える。シリーズ屈指のコメディ回。

 

3rd 第30回『灰色の村』(松村達雄/岡八郎)

「お館様」を演じる松村達雄さんの演技がとても好き。

 

 

*1:事件現場に赴くことなく、話を聞いただけで事件を推理・解決する探偵のこと。また、その作品。