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【漫画】あずみ の 想い出

あずみ

 

俺の実家の本棚には、『あずみ』があった。

 

正確には父親の部屋にあったが、特に何の制限もなく、子供が引っ張り出して自由に読むことができた。

父親が最初に一揃いで買ってきたときに10巻くらいだったから、たぶん俺が中学生の頃だ。となると、妹はまだ小学生である。

今考えると、すごいことだ。

 

何がすごいかって?

貴方、原作の『あずみ』を読んだことがない?

 

一巻でも読めば一発でわかるが、この漫画、

二重の意味で18禁なんである。

 

まず、めちゃくちゃに血生臭い。

人がバッタバッタと死んでいくし、腕は飛ぶし首は飛ぶし、血がブシャーーッ!!って出るし、臓物が飛び出すし。

 

そして、生々しいセックスシーンや強姦シーンが非常に多い。

 

戦国末期の混沌とした時代が舞台だから、無法者による略奪の場面が多く、必然的に惨殺シーンや強姦シーンが多くなってくる。まだまだ性に奔放な時代だってのもあるだろう。

 

ストーリーそのものも子供に読ませていいのかってレベルでかなりエゲつない。

なんてったって、第1話で兄弟のように育った10人の子どもがいきなりお互いに殺し合うのだ。それも、暗殺者として完成するための最後の仕上げとして、「最も仲のいい者同士で2人組を組まされた上で」「その組んだ2人でお互いを殺し合うよう命じられる」のだ。

 

そんな書物を自由に読める環境で育ったけれど、俺はともかく妹は2人ともめちゃめちゃ健全に育ってるんだから、エロい書物や残虐な書物を「子供は見ちゃいけません!」って規制することがいかに意味がないかってもんだ。そんなもん幾ら見せようと読ませようと、子供は普通に何の問題もなく育ちます。むしろ下手に縛り上げる方が抑圧されて犯罪者になる確率が上がる。

 

まぁともかく色んな意味ですさまじい話だから、この漫画が上戸彩主演で映画化するって聞いたときは驚いた。見てはいないけど、おそらく内容は大分マイルドになってるんだろうなぁ。でなきゃ全国の劇場で上映できないだろう。

 

あずみはそもそもどういう話かっていうと、

戦国末期に世間から隔離された山奥で暗殺者として育てられた10人の子供たちと、その子供たちを育てた1人の爺さんがいた。その中で唯一の女の子が「あずみ」だ。暗殺者として完成した5人の子供たち*1と爺は、ついに世間に降り立ち、最強の暗殺者として使命をこなし、殺戮と戦いの世界に身を投じていく。だが、戦いの中で一人また一人と命を落としていき、ついに爺までも死に、あずみは一人ぼっちになってしまう。使命も家族も全て失い、ただ一人あてもない旅を続けるあずみ。その旅の果てには、一体何があるのだろうか―――。

ってな話。

 

 

『あずみ』の魅力はどこにあるのか。

 

まず、あずみがめちゃくちゃに強い!

あずみたち5人の少年暗殺者は全員強いのだが、その中でもあずみは飛び抜けて強い。全48巻の中で様々な刺客や剣豪が出てくるが、あずみより強い奴は一人もいないのだ。なんせあの宮本武蔵よりも強い。おそらく作中ではあずみは日本一強い剣士だろう。

 

そんなあずみたちが、おびただしい数の刺客たちや名だたる剣豪をバッタバッタと切り伏せていくのはやはり読んでて気持ちがいい。

 

そんな作中最強の殺戮マシーンであるあずみだが、作中で一人の女性として、一人の人間として、次第に成長していく。その成長する姿こそが、『あずみ』という漫画のもう一つの魅力だ。

最初は世間から隔離された環境で育っているから、世の中のことなど何も知らない純真無垢な存在で、自分がやっている殺戮の使命の重さすらもわかっていない子供だが、次第に世の中のこと、命の重さ、策略と打算、性についてなど、一人の大人として女性として剣士として生きていくためのあらゆることを学んでいく。一人旅の中でだんだんと大人びた憂いを帯びた表情になっていくあずみの成長は非常に読みごたえがある。

 

かなり刺激の強い話ではあるけれど、とても面白い話でもある。

『あずみ』オススメの漫画です。

あずみ(1) (ビッグコミックス)

あずみ(1) (ビッグコミックス)

 

 

以下、内容についての若干のネタバレあり。

 

個人的には、きくが登場して毘沙門天と戦うあたりが非常に印象に残っている。武力じゃなく、相手を完全に信頼させて寝首をかくという強さじゃどうしようもない暗殺者であるきくを、逆に懐柔してしまうあずみ。正に、己の内に夜叉と菩薩を両方飼っているあずみだからこそ成せる術だ。そして、毘沙門天たち浪人の狼藉を、それも浪人が生き残るための一つの手段なのだろうと割り切って見過ごそうとしたあずみ。山から出てきたばかりの純真無垢だった頃には考えられなかった行動である。あずみも大人になったなぁと驚いたもんだ。そして、それを完全な私怨でめちゃくちゃにぶった斬るのもあずみらしい。

 

左近とやえとあずみの3人のエピソードも思い出深い。全てが決着し、左近がやえと余生を静かに過ごしてハッピーエンド…と思いきや、「剣一筋に生きてきたのに…病なぞで死ねるか!!」の一言で左近の勝負を受けるあずみ。それが親友のやえを裏切ることになるとしても、剣士としての矜持は絶対に無碍にできないあずみ。なんか、あぁ、あずみの根っこって、人間でも、女性でもなくて、剣士なんだなぁ、って、すごい切なくなったエピソードがある。

 

あぁ、もう一回読みたくなってきた。

 

 

 

*1:さっき説明した通り冒頭でいきなり半分になります