世の悪役は全てこの3つに大別される、という話ではなく、
俺が印象に残った悪役はこの3つのどれかであることが多いなぁという話。
オルステッド型
悲しい過去があって悪になってしまったタイプ。旧スクウェアの名作RPG『ライブ・ア・ライブ』の悪役の名前から。その悪役の過去が、どれだけ悲しくて読者が同情できるものか、もしくは衝撃的なものにできるかが大事。たいてい世界征服よりも世界滅亡を望んで活動している。この手の悪役を描くのが上手い漫画家は 冨樫 義博 。戸愚呂兄や仙水など、悪役の秘める悲哀や哀愁を描かせたら天下一品。
・戸愚呂兄/幽遊白書
ルカ型
悪のカリスマタイプ。コナミの名作RPG『幻想水滸伝2』の名悪役「ルカ・ブライト皇子」から。作中でやってることは悪そのものであり、残虐で非道で許せないんだけど、高いカリスマ性があって多くの部下に慕われている。ときには読者人気すら異常に高い。この手の悪役を描くのが上手い漫画家は 和月 伸宏 。志々雄真実はもちろん、パピヨンや斎藤一など、「自分だけの矜持」を持ったカッコいい悪役やヒールを描くのが上手い。
・ルカ・ブライト/幻想水滸伝2
・志々雄真実/るろうに剣心
・DIO/ジョジョの奇妙な冒険
カルラ型
卑劣で卑怯で読者に嫌われるタイプ。ハドソンの名作RPG『新桃太郎伝説』のラスボス、カルラから。強者にへつらい、弱者に鞭打ち、自分の欲望を満たすために手段を選ばずに行動する。ルカ型との最大の違いは、部下からの信望もなく、読者には毛虫のように嫌われていること。小物なので大抵はラスボスになることなく終わるが、稀にラスボスになったときの不快感とエゲつなさは異常。この手の悪役を描くのが上手い漫画家は 藤田 和日郎 。白金や白面の者など、とにかく卑劣でイヤらしくて許せない悪役を描くのが上手い印象。
・カルラ/新桃太郎伝説
・白金/からくりサーカス