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【読んだことない人へ捧ぐ】金色のガッシュ が面白い3つの理由

金色のガッシュ

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その漫画の世界に、戦いに、どんなルールを設けるか。

その設定は、漫画を描く上で、すごく大事なものだ。

 

そして、時として、そのルールががっしりとストーリーと嚙み合うと、

とんでもない感動を生むこともある。

 

 

 

あらすじ

日本の中学生、高嶺 清麿 の元に、ある日『ガッシュ』という名の謎の少年が現れる。携えていた謎の『本』を清磨が読むと、電撃を発することができる、不思議な力を持つガッシュ。実はガッシュは、次代の魔界の王を決める戦いのために、人間界に送り込まれた魔物の子どもだったのだ。強い絆で結ばれた清磨とガッシュは、仲間たちとともに、次々に現れる強敵へと立ち向かってゆくのだった―――。

 

 

戦いのルール

・魔物の子ども100人の中から、次代の魔界の王を決める戦いである。

・100人が戦い合い、敗者は脱落してゆき、残った最後の1人が次代の王となる。

・100人の魔物は人間界に送り込まれ、人間界にて戦いを繰り広げる。

・各魔物はそれぞれに1人、自分のパートナーとなる人間がいる。

・魔物は基本的に、パートナーが読む『本』を通じてしか魔力を発揮できない。

・その魔物の『本』を読めるのは、パートナーとなりえる人間ただ1人である。

・人間界に送られた魔物は、まずはそのパートナーとなる人間を探さねばならない。

・『本』が燃えたり燃やされたりすると、その魔物は魔界へ強制送還される。*1

・『本』の破壊と魔界への強制送還をもって、その魔物の『敗北』となる。

・つまり、『敗北』はそのまま、パートナーとの今生の別れを意味する。

 

 

① 100通りの、別れのシーン

金色のガッシュの魅力は、何と言っても、

100通り描かれる、人間と魔物の強い絆。

 

特に、それぞれの魔物たちが魔界へと帰る別れのシーンは、

どれも涙なしには見られない!

 

予期しない突然の別れに泣く者もいるし、

限界を超えた相棒の為を思って泣く泣く自らの意思で本を燃やす者もいる。

ずっとお互い大好きでたまらないのに別れなければいけない者もいれば、

最後の最後にお互いの大切さに気付く者もいる。

 

100組の人間と魔物の種族を超えた絆と、

100通りの涙なしでは見られない感動的な別れのシーン。

 

これこそが、『金色のガッシュ』最大の魅力だ。

 

 

② 清磨とガッシュの、永遠の絆

上記の通り、人間と魔物の絆の描き方が素晴らしいのがこの漫画の特長だけど、

こと、それが主人公にもなると、もうラストシーンは感無量である。

 

出会いのシーンから、全33巻もの間、片時も離れずに寄り添って戦い続け、

お互いに少しずつ成長し続けていった姿を、読者は全部見てるわけだから、

最後の最後、2人が別れる場面ではもう感情移入しすぎて心がわけわからんことになる。

 

卒業式で号泣する2人と一緒に、号泣したよ。

 

少年漫画のストーリーとして強い絆で結ばれた2人というのは山ほど存在するけど、

普通は話の都合上、お互いバラバラに行動したり、一時的に決別する場面も多い。

 

でも、この漫画は設けられたルールの都合上、

・人間側は何の能力も持たないから、魔物がいないと戦えない

・魔物側は『本』を通してしか魔力を使えないから、人間がいないと戦えない

ため、どのコンビも否応なしに一蓮托生になるし、

ストーリーの中で離れ離れになることもほとんどない。

 

それが、最後にこれほどの感動の衝撃を生み出すとは…。

 

「ルール」を最高に活かした話作りが、本当に素晴らしい。

 

 

③ 各キャラクターが気付く、それぞれの "強さ"

①に関連してくるけど、多くの魔物側のキャラクターは、

パートナーの人間と一緒に乗り越えた戦いの日々を経て、

最後の最後に「自分にとって『強さ』とは何か」に気付いて退場していく者が非常に多い。

 

守る強さを貫き通した者、王をも殴れる強さを知る者、感謝する強さに気付く者、

親友のためにプライドを捨てることこそ強さだと感じる者、

大好きなパートナーの人間こそが、自分にとっての『強さ』だと確信する者、

優しさこそが強さだと知る者、信じることが強さだと知る者、

自分は愛を受けていたことに気付く者…

 

特に、主要キャラクターの一人(一組)、

キャンチョメとフォルゴレのラスト・エピソードは最高の出来だ。

作中最強の実力を身に着けるも、力に溺れてしまったキャンチョメに、

フォルゴレが掛ける言葉は、本っっっ当に素晴らしい!!!!!

 

フォルゴレは本当にカッコイイんだよ。

フォルゴレは男の中の男だ。

もうフォルゴレの活躍を見るためにこの漫画を読んでもいいよ。

 

「♪チッチッチッチ おっぱ~い ぼいんぼい~ん(ぼいんぼい~ん)」

なんて歌を歌っている男にこんなに泣かされる日が来るなんて、

初登場時には全く思わなかった。

いや、逆にそれがいいんだよな。

普段道化を演じているからこそ、道化を演じているのにもちゃんと理由があるからこそ、

フォルゴレは最後の最後あんなにかっこいいんだよな。

 

キャンチョメとフォルゴレの2人の絆は本当に大好き。

この漫画でも屈指のギャグ色の強い2人だけど、

だからこそシリアスシーンになったときにギャップにやられるんだよな。

あぁもうこの2人に会うためにまた全巻読み返したくなってきた。

 

 

まとめ

この漫画は、「ルール」が存在するからこそ、

2人が「絆」を作らざるを得ない、その上で「別れ」を迎えざるを得ない、

特に主要キャラクターたちには思い入れが強くならざるを得ない、

だから、感動する。そんな漫画だ。

 

 

話の都合で、泣かせるために、

登場人物が無理やり動かされていると言えなくもないが、

それでも自然に感動できるのは、

それだけ作者の力量が高く、描き方が上手いからなんだろうな。

それと、自分のキャラクターに対する愛情がしっかり感じられるから。

 

 

この漫画もまた、思いっきり泣きたい人にオススメの漫画だ。

 

 

【この漫画を特にオススメしたい人種】

思いっきり泣きたい人

 

 

 ~バティ漫画ランキング(青年時代編)第3位『金色のガッシュ !! 』~

*1:実際には、魔物の限界を感じ、パートナーが自らの意思で第三者に本を燃やしてもらうケースも多い