名前だけなら誰もが知っている、超有名少年漫画。
だが、知らない人にとっての印象はこれじゃなかろうか?
「なんか絵がキモいマンガ」
ちなみに、俺は高校生のときにクラス全員をジョジョにハマらせた実績があるんだが、
読む前の8割の人間が、「絵が好きじゃないんだよな~」と言っていた。
そしてそれを言っていた人間は100%ハマっていった。
作品解説
絵は独特だが、中身は意外にも超王道な少年バトル漫画である。
味方キャラクターの1人が、新たな敵キャラクターと出会う → 戦って倒す
ひたすらこの繰り返し。単行本にして121巻、この繰り返し。
大枠のストーリーならドラゴンボールの方がまだ複雑だ。
ジョジョの奇妙な冒険は、1986年に連載開始され、現在も連載中、
単行本は全部で121巻目に突入している。
「クッソ長いじゃん!!!!!」と思われたそこのアナタ、
安心してくだされ。
ジョジョは部ごとに話が独立しており、現在は第8部。
要は、今連載しているのは、「ジョジョの奇妙な冒険 8(エイト)」だと思えばいい。
ドラクエが1から11まであるように、
ジョジョも1から8まで、一部の登場人物や世界観は引き継ぐものの、
主人公もラスボスも時間軸も旅の目的も毎回バラバラで、一つの独立した漫画である。
1つの部の平均は15巻くらいだから、たいして長くない。
おまけに話のテイストも各部でかなり違う。例えば、
1は100年以上も前のイギリスの貴族の話だけど、
4は現代日本の普通の住宅街が舞台で普通の高校生が主人公だったり、
1は一人の青年の幼少期から20数歳で死ぬまでを全5巻で描くのに対して、
5は全17巻でたった3日間の出来事の話だったり。
おおまかにいうと大体こんな感じ*1
1:19世紀イギリス。主人公は貴族の息子。
3:1987年(連載当時の現代)、主人公は日本の高校生。日本からエジプトまで世界中を旅する。
4:1999年、仙台の住宅街。主人公は3と同じく高校生。
5:2001年、イタリア。ギャングの内部抗争の話。
6:2011年、アメリカ、女性刑務所。主人公は女性。
7:19世紀末、アメリカ横断チキチキレース大会の話。
8:東日本大震災後の仙台の住宅街。舞台設定は4のオマージュ。
ただ、味方が敵と遭遇して戦って倒すの繰り返しの
王道少年バトル漫画だってのはどの部も変わらない。
さて、そんなジョジョの奇妙な冒険の魅力はどこにあるのか?
今回も、3つに絞って解説していこう!
① とめどなく続く、頭脳戦・知略戦・心理戦の連続
「ジョジョの最大の魅力を1つだけ挙げて?」って言われたら、
俺は迷いなくコレを挙げる。
ジョジョの121巻も続く何百回もの味方vs敵のバトルの展開は、
全てがあっと驚くどんでん返しがたっぷり詰まった、
頭脳戦・知略戦・心理戦の連続だ!
ジョジョの登場人物たちは皆、『スタンド』と呼ばれる超能力を駆使して戦う。*2
一人一人が異なる個性の超能力を持つ、いわゆる『能力者系バトル漫画』だ。
知ってる人は、「念能力」「悪魔の実」「宝貝」をイメージしてもらうといい…
というより、念能力をはじめ、これらは全てジョジョのリスペクトだ。
ジョジョはこのジャンルの漫画の先駆者で、ジョジョがなかったら今頃上記の漫画もない。*3
その個性豊かな能力である『スタンド』を、
味方も敵もめちゃめちゃ賢く使いこなしていく。
ジョジョのバトルにご都合主義や気持ちの勝負はない。
どいつもこいつも己の頭脳一つで、作戦やハッタリで相手と戦っていく。
ジョジョの登場人物は揃いも揃ってみんな頭良すぎなんだよ!
味方キャラクターの一人が謎の攻撃を受ける
→ 敵の攻撃の謎を解明し、思わぬ方法で敵に反撃を加える
→ 敵もさらに自分の能力を応用して、さっきとは違った方法で主人公に反撃する
→ 主人公がさらに自分の能力を応用させて(もしくは敵の能力の心理や穴をついて)敵のその技を破って勝利する
展開は毎回こんな感じ。
味方も敵も、自分の能力を応用させるのと、相手の心理の穴を突くのが上手すぎる。
毎回手に汗握るし、読んでて全く飽きません。
謎解き、頭脳戦、ロジカルゲームが好きな人なら、間違いなくハマるよ。
② 男らしい男たちによる男らしい行動や台詞の数々
ジョジョの登場人物たちは皆、味方も敵もすべからく男らしい。
なんなら6の主人公は女だけど、男より男らしい。
仲間を守るため、自分の命を賭して闘う味方。
己の美学のため、決して後ろには退かない倒れない敵。
自分の正義を貫くため、強力な悪にも絶対に屈しない主人公。
彼らが作中で繰り出す驚くべき行動の数々と、そこから発せられる台詞は、
とにかく読んでて胸が熱くなる。
「最近かっこいい男に出会ってないなー、男らしい人にグッときてないなー」
って人がいたら、ぜひジョジョを読もう。
世界一男らしくてかっこいい男たち女たちが君を待っている。
③ 作者:荒木飛呂彦のとんでもない発想力
①にも関連するけれども、ジョジョは作者のその発想力がとにかく素晴らしい。
そもそも大前提の『スタンド』からして、
「超能力っていうのは単にものを浮かしてるんじゃなくて、一般人には見えない人型の何かが超能力者から出ていて、そいつが手でテレビとか持ち上げてるんじゃないか」
っていう発想のもとから生まれたらしいが、
常人からしたらそもそもその発想が「何ソレ!?」って感じである。*4
スタンドの能力一つとってもそうだ。
最初は炎を出したり氷を出したり普通な能力が多いが、
ストーリーが進むにつれて「特定条件下で時間を1時間だけ戻し、かつ自分の敵をオートで爆殺する能力」とか「相手が新しいものを3つしか覚えられず、4つ目を覚えたら1つ目を忘れるような記憶力にしてしまう能力」とか、どんどん複雑になっていく。
どっからそんな能力考え出してんの!?って感じである。
さらに、能力を考え出すだけでもすごいのに、その応用のさせ方がさらにすごい。
バトルは大概
① 敵の能力のお披露目
② 味方がその能力を解明して頭いい方法で反撃する
③ 敵が自分の能力を応用して新技を繰り出す
④ 味方が自分の能力を応用してその新技を破って勝利
って流れで進むんだけど、
そもそも普通の漫画なら②の時点で決着ついて終わってる。
「この能力ならこんなこともできんじゃーん!!」っつって毎回どんな能力でも③を考え出すこの作者の頭の中身はマジで変態的にすごすぎる。
そして主人公側は毎回同じ能力を使って戦ってるわけだからいい加減ネタが尽きてくるはずなのに最終盤まで④で新しい能力の使い方を披露して読者に「その手があったか!!」って言わせまくるのマジでズルすぎる。
とにかく、ドラえもんのごとく「こんな能力あったらいいな…!」と欲しくなる夢のような超能力の数々を、めちゃめちゃ頭いい登場人物が意外な使い方をしまくって「その手があったか…!!」って言わされまくるのはマジ痛快の極みですよ。
まとめ
さて、まとめると、
ジョジョの奇妙な冒険という漫画は、
121巻で何百回も繰り返されるあっと驚く頭脳戦・知略戦・心理戦の連続を、
熱き男たちの熱き行動と熱き台詞を伴わせながら、
作者がその天才的な発想力で痛快に描き切る漫画
ってことになる。
バトル漫画が好きな人、熱い漫画が好きな人、頭脳戦が好きな人には、
間違いなくオススメですよ。
どこから読めばいいの?
さて、1や2が好きなひとには怒られるかもしれないが、
俺は「第3部から」読むのをお勧めする。*5
理由は3つ。
① 1と2は今読むと少し古くてとっつきにくい
② 3が一番 王道でシンプルで典型的な少年漫画だから
③ 『スタンド』が初登場するのが3だから。4以降は3で定着したスタンドのルールを応用させて話が進むので、4以降から入るとそのルール的な部分で「?」と思う箇所が出てくるかもしれない
もちろん、自分がいいと思えば1巻から順番に読んだっていいし、
4部でも8部でも好きなところから読めばいい。
あと、どうしても絵が受け付けない、って人は、
アニメから入るといい。
ジョジョが完全にアニメ化されたのは本当に最近で、
今4までアニメ化されて、今年の10月から5が始まるんだけど、
このアニメがもうすさまじくクオリティが高いから。
アニメ化って大抵、ストーリーを端折ってたり、テンポが悪くなってたりするから、
普通なら絶対に原作で読むのをススメるんだけど、
ジョジョのアニメは本当に心からジョジョが好きな人たちが魂を込めて作ってるから、
もう出来の良さが段違い。完全な原作再現。何なら原作を超えてる箇所すらある。
だからアニメで見るのもいいよ。
アニメなら上手くまとまってるし絵も見やすいから1から順にみてもいいし、
アニメでも3から見てもいい。
ちょうど10月にはじまる5から見始めてもいいと思うし。
とにかく、今から見るなら
原作3部からか、アニメをすすめるよ。
『覚悟』があるヤツは、最初からでも最後からでも、自分の好きなところから読めばぁいいんじゃあなァいですかねェ~~~~~~~~~~~~!?
【この漫画を特にオススメしたい人種】
頭脳戦・知略戦・心理戦に飢えてる人
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